[NT]BOOT.INI と ARC パスの名前付け規約と使用法

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文書番号: 102873 - 対象製品
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目次

概要

この資料は、Intel X86 プロセッサと RISC ベースのコンピュータ上で Windows NT インストレーションへのパスを表す ARC (Advanced RISC Computing) 仕様の規約を説明するものです。

  • Intel X86 ベースと RISC ベースの ARC パスの比較
  • MULTI(X) 構文と SCSI(X) 構文の相違と使用法
  • Intel X86 ベースと RISC ベースの ARC パスの例 I

ntel X86 ベースと RISC ベースの ARC パスの比較

Intel X86 ベースのコンピュータの BOOT.INI ファイルでは、各々の Windows NT インストレーションは 1 行で記述されます。しかし、RISC ベースのコンピュータでは、コンピュータ ファームウェアの BOOT オプションで、1 つの Windows NT インストレーションを指すために 4 行が使用されます。X86 ベースのコンピュータで複数の Windows NT インストレーションがある場合、BOOT.INI にはインストレーションごとに 1 つの ARC パスが存在します。ブート プロセスの中で、ブート メニューによりブートするインストレーションを指定するように求められます。

ARC パスは 2 つの基本的な形式で使用されます。1 つは MULTI() で開始する形式で、もう 1 つは SCSI() で開始する形式です。X86 ベースのコンピュータでは両方の形式が使われますが、RISC コンピュータでは SCSI() の形式のみが使用されます。

X86 ベースのコンピュータ

以下は BOOT.INI ARC パスの一般的な形式の例です。
multi(X)disk(Y)rdisk(Z)partition(W)\<winnt_dir>

-または-

scsi(X)disk(Y)rdisk(Z)partition(W)\<winnt_dir>


ここで X、Y、Z、および W は、それぞれ左側の項目を識別するための番号です。

上の例にある 2 つの ARC パスにより Windows NT は %SystemRoot% ディレクトリを見つけ、その中のファイルをロードしてブート プロセスを完了します。詳細は後述の「MULTI(X) 構文と SCSI(X) 構文の相違と使用法」を参照してください。

RISC ベースのコンピュータ

RISC ベースのアーキテクチャでは、ファームウェアはシステムの異なる領域を指す必要があるので、単一の Windows NT インストレーションへの ARC パスは 4 組の ARC パスの定義により構成されます (反対に X86 ベースのコンピュータでは 1 行のみの ARC パス定義)。各 ARC パスに 4 つの定義が定義名に続いて SCSI() から始まります。

    SYSTEMPARTITION scsi(X)disk(Y)rdisk(Z)partition(W)
    OSLOADER  scsi(X)disk(Y)rdisk(Z)partition(W)\os\<nt_dir>\osloader.exe
    OSLOADPARTITION scsi(X)disk(Y)rdisk(Z)partition(W)
    OSLOADFILENAME  \<winnt_dir>


各行について、以下で説明します。

定義 1 (SYSTEMPARTITION)
SYSTEMPARTITION へのパスを定義します。これは小さな FAT パーティションで OSLOADER.EXE と HAL.EXE が格納されます。

scsi(X)disk(Y)rdisk(Z)partition(W)


定義 2 (OSLOADER)
OSLOADER ファイルへのパスを定義します。これは SYSTEMPARTITION と同様ですが、これにはパスの記述も含まれます。

scsi(X)disk(Y)rdisk(Z)partition(W)\os\<nt_dir>\osloader.exe

ここで <nt_dir> は OSLOADER.EXE が存在するディレクトリを表します。


定義 3 (OSLOADPARTITION)
その他の Windows NT システム ファイルが存在するブート パーティションを定義します。

scsi(X)disk(Y)rdisk(Z)partition(W)


定義 4 (OSLOADFILENAME)
Windows NT インストレーション ディレクトリ (winnt_dir) をドライブ文字を付けずに定義します。

\<winnt_dir>


MULTI(X) 構文と SCSI(X) 構文の相違と使用法

MULTI(X) 構文

ARC パスの MULTI(X) 構文は X86 ベースのコンピュータでのみ使用されます。Windows NT バージョン 3.1 ではこのパスは IDE と ESDI のドライブにのみ有効です。Windows NT バージョン 3.5、3.51、4.0 では SCSI ドライブに対しても有効です。

MULTI() 構文は Windows NT に対してコンピュータの BIOS にしたがってシステム ファイルをロードするように指示します。これはオペレーティング システムが INT 13 BIOS コールを使用して NTOSKRNL.EXE や Windows NT をブートするために必要な他のファイルを探しロードすることを意味します。

パラメータ X、Y、Z、および W の意味は以下のとおりです。

  • X はアダプタの番号で常に 0 となります (理由は以下に示します)。
  • Y は ARC パスが MULTI() で始まる場合は常に 0 (ゼロ) です。前述のように MULTI() は INT 13 コールを行うので DISK() パラメータ情報を必要としません。
  • Z はアダプタ上のディスクの番号で通常は 0 から 3 の間の番号です。
  • W はパーティション番号です。タイプ 5 (MS-DOS 拡張) とタイプ 0 (未使用) のパーティションを除いて、すべてのパーティションに番号が振られます。最初に基本パーティション、次に論理パーティションに振られます。注: W の有効な最初の番号は 1 です。これに対して X、Y、および Z は 0 (ゼロ) から始まります。
理論的には、この構文を使用してシステム中のどのドライブからでも Windows NT を起動することができます。しかし、このためにはすべてのドライブが標準の INT 13 インターフェイスを介して識別できなければなりません。ディスク コントローラによって、これをサポートするものとしないものがあり、また INT 13 を介しては、ほとんどのシステム BIOS が単一のディスク コントローラしか識別しないことにより、現実にはプライマリ ディスク コントローラに接続された最初の 2 つのドライブ、またはデュアル チャネル EIDE コントローラの場合は最初の 4 つのドライブから Windows NT を起動する場合のみ、この構文を使用した方法は安全といえます。

IDE だけのシステムでは、MULTI() 構文は、デュアル チャネル コントローラ上のプライマリとセカンダリの両チャネルで最大 4 台のドライブをサポートします。

SCSI だけのシステムでは、MULTI() 構文は、最初の SCSI コントローラ (最初にロードされる BIOS を持つコントローラ) 上の最初の 2 台のドライブをサポートします。

SCSI と IDE の両方を持つシステムでは、MULTI() 構文は、最初のコントローラ上の IDE ドライブ (複数) のみをサポートします。

SCSI(X) 構文

SCSI() 構文は RISC ベースと X86 ベースの両方のコンピュータで使用され、またすべてのバージョンの Windows NT で使用されます。SCSI() の記述は、Windows NT がブート デバイス ドライバをロードし、そのドライバを使用してブート パーティションにアクセスすることを意味します。

X86 ベースのコンピュータで使用するデバイス ドライバは NTBOOTDD.SYS です。これはシステム ドライブ (通常ドライブ C) のルートにあり、使用するドライブのコントローラのデバイス ドライバのコピーです。

RISC コンピュータでは、RISC 標準が示すとおり、ドライバはファームウェアに組み込まれているので、ファイルは不要です。

SCSI() 構文を使用した場合の X、Y、Z、W パラメータの意味は次のとおりです。

  • X は NTBOOTDD.SYS ドライバが識別するアダプタの番号です。
  • Y はターゲット ディスクの SCSI ID です。
  • Z はターゲット ディスクの SCSI 論理ユニット番号 (LUN) です。この番号はほとんどの場合 0 (ゼロ) です。
  • W はパーティション番号です。タイプ 5 (MS-DOS 拡張) とタイプ 0 (未使用) のパーティションを除いて、すべてのパーティションには番号が振られます。最初に基本パーティション、次に論理パーティションに番号が振られます。
: W に対する有効な最初の番号は 1 です。これに対して、X、Y、Z は 0 から始まります。

SCSI() を記述した場合、X の値は NTBOOTDD.SYS により決まります。Windows NT におけるコントローラの順番の決定方法は SCSI ドライバにより異なります。一般には、コントローラ上の BIOS がロードされる順になります (BIOS がロードされる場合)。

X パラメータの値を決定する場合、さらに複数のコントローラがあり、使用するデバイス ドライバが異なる場合は、NTBOOTDD.SYS によって制御されるものだけを数えなければなりません。たとえば、Adaptec 2940 (ドライバ AIC78XX.SYS を使用) と Adaptec 1542 (AHA154X.SYS を使用) がある場合、X は常に 0 になります。この場合次のように NTBOOTDD.SYS ファイルが変わります。

  • Adaptec 2940 上のドライブから Windows NT をロードする場合、NTBOOTDD.SYS は AIC78XX.SYS のコピーとなります。
  • Adaptec 1542 上のドライブから Windows NT をロードする場合、NTBOOTDD.SYS は AHA154X.SYS のコピーとなります。
理論的には、SCSI() の記述は EIDE コントローラでも使用できます。この場合 ATAPI.SYS を NTBOOTDD.SYS としてコピーしなければなりませんが、これは動作しない場合があり、サポートされません。

X86 ベースと RISC ベースの ARC パスの例

以下は有効な ARC パスの例です。最初の 2 つは X86 ベースのコンピュータ上の ARC パスの例です。3 番目の例は RISC ベース コンピュータである DEC Alpha AXP 150 上の単一のブート エントリから採られたものですが、同様な構成のすべての RISC ベースのコンピュータで共通するはずです。

注意 : 下の例 1 と例 2 に示すように、BOOT.INI ファイルに複数の ARC パスがあり、コンピュータに異なる SCSI アダプタがある場合、他の SCSI コントローラに接続されたドライブ上に存在する Windows NT インストレーションからブートするために、シャットダウンする前にシステム パーティション (通常、ドライブ C) のルート ディレクトリに適切な SCSI ドライバを NTBOOTDD.SYS ファイルとしてコピーしなければなりません。これはもう 1 つの Windows NT インストレーションがどのドライブにあるかに関わらず、NTBOOTDD.SYS は常にシステム パーティションに存在するからです。

例 1: 複数の SCSI コントローラ

これは以下のドライブとコントローラがインストールされた X86 ベースのコンピュータの例です。
  • 2 つの Adaptec 2940 SCSI コントローラがあり、それぞれに 1 GB のハード ドライブが ID 0 と ID 1 として 2 台搭載
  • 1 つの Adaptec 1542 SCSI ディスク コントローラがあり、1 GB のハード ドライブが ID 0 と ID 4 として 2 台搭載
各ハード ドライブには 1 GB の基本パーティションが 1 つあります。この例を説明する目的で、それぞれのパーティションに 1 から 6 の番号を振ります。パーティション 1 と 2 は Adaptec 2940 コントローラに接続されたディスク 1 と 2 を表し、パーティション 3 と 4 は 2 番目の Adaptec 2940 コントローラに接続されたディスクを表し、パーティション 5 と 6 は Adaptec 1542 上のディスクを表します。Windows NT がインストールされたパーティションによって、下記の ARC パスのいずれかが BOOT.INI に存在します。この例は Windows NT が WINNT35 というディレクトリにインストールされているものと仮定しています。

各 ARC パスにインストールされた Windows NT



  パーティション 1 (最初の Adaptec 2940 上)
    multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT35

  パーティション 2 (最初の Adaptec 2940 上)
    multi(0)disk(0)rdisk(1)partition(1)\WINNT35

  パーティション 3 (2 番目の Adaptec 2940 上)
    scsi(1)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT35

  パーティション 4 (2 番目の Adaptec 2940 上)
    scsi(1)disk(1)rdisk(0)partition(1)\WINNT35

  パーティション 5 (Adaptec 1542 上)
    scsi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT35
  
  パーティション 6 (Adaptec 1542 上)
    scsi(0)disk(4)rdisk(0)partition(1)\WINNT35
注意 : パーティション 3 と 4 では NTBOOTDD.SYS は AIC78XX.SYS のコピーであり、パーティション 5 と 6 では NTBOOTDD.SYS は AHA154X.SYS のコピーです。AIC78XX.SYS ドライバのコピーである NTBOOTDD.SYS ファイルがあるという前提で、パーティション 1 と 2 の ARC パスの代替として以下のパスで置き換えることができます。

各 ARC パスにインストールされた Windows NT



  パーティション 1 (最初の Adaptec 2940 上)
    scsi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT35

  パーティション 2 (最初の Adaptec 2940 上)
    scsi(0)disk(1)rdisk(0)partition(1) \WINNT35
しかし、Windows NT セットアップは、これら最初の 2 つのドライブに対して常に MULTI() 構文を使用します。

例 2: IDE と SCSI が存在する環境

次に示すドライブとコントローラがインストールされた X86 ベースのコンピュータの例。

  • デュアル チャネル EIDE コントローラに 3 つの 1 GB ドライブがあり、2 台がプライマリ チャネルに 1 台がセカンダリ チャネルに存在
  • Adaptec 2940 SCSI コントローラに ID 3 を持つ 1 台の 4 GB ハード ドライブ
3 台の EIDE ドライブにはそれぞれ 1 GB のパーティションが 1 つ、SCSI ドライブには 4 つの 1 GB パーティションがあります。この例を説明する目的で、それぞれのパーティションに 1 から 7 の番号を振ります。パーティション 1 と 2 は EIDE コントローラ上のプライマリ チャネルのディスク 1 と 2、パーティション 3 はセカンダリ チャネル上、パーティション 4、5、6、および 7 は SCSI ドライブ上です。Windows NT がインストールされたパーティションによって、BOOT.INI には以下の ARC パスのいずれかが存在します。この例は Windows NT が WINNT35 というディレクトリにインストールされているものと仮定しています。

各 ARC パスにインストールされた Windows NT

    パーティション 1 (プライマリ EIDE チャネル)
      Multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT35

    パーティション 2 (プライマリ EIDE チャネル)
      multi(0)disk(0)rdisk(1)partition(1)\WINNT35

    パーティション 3 (セカンダリ EIDE チャネル)
      multi(0)disk(0)rdisk(2)partition(1)\WINNT35

    パーティション 4 (Adaptec 2940 上)
      scsi(0)disk(3)rdisk(0)partition(1)\WINNT35

    パーティション 5 (Adaptec 2940 上)
      scsi(0)disk(3)rdisk(0)partition(2)\WINNT35

    パーティション 6 (Adaptec 2940 上)
      scsi(0)disk(3)rdisk(0)partition(3)\WINNT35

    パーティション 7 (Adaptec 2940 上)
      scsi(0)disk(3)rdisk(0)partition(4)\WINNT35


注意 : Windows NT をパーティション 4 から 7 からロードするには AIC78XX.SYS のコピーである NTBOOTDD.SYS ファイルが必要です。

例 3: DEC Alpha AXP 150 におけるブート変数

RISC コンピュータでは、すべてのブート パスはファームウェアを通じて定義されます。RISC コンピュータの新しいブート エントリを作成する場合、パスの定義を支援する目的でファームウェアが一連のプロンプトを表示します。これにより、正常に動作しなくなったブート エントリを編集する場合を除き、RISC コンピュータの ARC パスを直接編集する必要はありません。

次の例は、以下に示すようにパーティションされた 1 台のハード ドライブ (ID 0) で構成された DEC Alpha AXP 150 のブート エントリです。
  • 1 つの 4 MB システム パーティション
  • 1 つの 396 MB ブート パーティション
Windows NT はブート パーティションの WINNT35 というディレクトリにインストールされ、OSLOADER ディレクトリは、システム パーティションの OS\WINNT35 というディレクトリに存在します。ブート エントリは以下のようになります。

    SYSTEMPARTITION scsi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)
    OSLOADER  scsi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\os\winnt35\osloader.exe
    OSLOADPARTITION scsi(0)disk(0)rdisk(0)partition(2)
    OSLOADFILENAME  \WINNT35



関連情報

この資料は米国 Microsoft Corporation から提供されている Knowledge Base の Article ID 102873 (最終更新日 2000-03-08) をもとに作成したものです。

プロパティ

文書番号: 102873 - 最終更新日: 2003年7月22日 - リビジョン: 3.0
この資料は以下の製品について記述したものです。
  • Microsoft Windows NT Advanced Server 3.1
  • Microsoft Windows NT Workstation 3.1
  • Microsoft Windows NT Advanced Server 3.1
  • Microsoft Windows NT Workstation 3.5
  • Microsoft Windows NT Workstation 3.51
  • Microsoft Windows NT Workstation 4.0 Developer Edition
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  • Microsoft Windows NT Server 4.0 Standard Edition
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