Exchange Server 2003 環境における Outlook 2003 の Exchange キャッシュ モードについて

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文書番号: 870926 - 対象製品
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目次

概要

この資料では、Microsoft Exchange Server 2003 環境において Outlook 2003 の Exchange キャッシュ モードがどのように機能するかについて説明します。Exchange キャッシュ モードは、Microsoft Office Outlook 2003 の新機能です。Exchange キャッシュ モードが有効な場合、Outlook 2003 ではメールボックスのローカル コピーが使用され、同時に、Exchange Server にあるメールボックスのリモート コピーへのオンライン接続が維持されます。

はじめに

Exchange キャッシュ モードは Outlook 2003 の新機能です。Outlook 2003 で Exchange キャッシュ モードを有効にしているときに Outlook 2003 を実行しているコンピュータから Exchange Server 2003 コンピュータへの接続が利用できない場合は、Outlook の状態が [接続中] または [オフライン] に切り替わります。接続が復元された場合は、Outlook の状態が [オンライン] または [オンライン (ヘッダー)] に切り替わります。サーバーへの接続が利用できるようになると、オフラインの間に行ったすべての変更が自動的に同期されます。変更の同期中には、作業を継続できます。

Outlook 2003 の Exchange キャッシュ モードは、ユーザーにとって次の利点があります。
  • メッセージがローカルにキャッシュされると、通常のユーザー操作でサーバーをブロックするやり取りが発生することはありません。クイック フラグの設定、開封済みマークの設定、返信、および編集の際、メールボックスの同期を維持するために少量のデータをサーバーに送信する必要がありますが、このデータの送信はバックグラウンドで実行されます。ユーザーの作業にはサーバーのコピーではなくローカルのコピーが使用されるため、この動作により、メッセージや添付ファイルにすばやくアクセスできるようになります。
  • また、Exchange キャッシュ モードで、従来の機能が失われることはありません。新しい電子メールの通知、グローバル アドレス一覧の完全な詳細、空き時間情報の検索、パブリック フォルダへのアクセス、および代理人のサポート機能は今までと同じです。ただし、これは Exchange Server コンピュータへのネットワーク接続が存在する場合だけです。
  • Exchange キャッシュ モードを有効にすると、自動的に最適な帯域幅を利用できます。この機能は、低速な接続 (128 Kbps よりも低速な接続) ではヘッダーのみを同期することにより有効になり、ネットワーク接続が存在する場合にのみ機能します。
また、Exchange キャッシュ モードは、管理者にとって次の利点があります。
  • サーバーの負荷が軽減されます。メッセージがローカルにキャッシュされると、同じメッセージを再度開くのにはサーバーとのトランザクションが必要ありません。
  • ネットワークの負荷が軽減されます。メッセージがネットワーク経由で一度送信されると、後でそれらのメッセージにアクセスするときに追加のネットワーク トラフィックが発生しません。メッセージは圧縮もされるため、ネットワークの負荷はさらに軽減されます。

詳細

Outlook 2003 で Exchange キャッシュ モードを有効にする方法

Outlook 2003 を新規インストールした場合は、デフォルトで Exchange キャッシュ モードが有効になります。ただし、Outlook 2003 を以前のバージョンの Outlook からアップグレードした場合は、Exchange キャッシュ モードが有効にならないことがあります。アップグレード処理の中で、システム管理者が Exchange キャッシュ モードを有効または無効にすることができます。

Outlook 2003 で Exchange キャッシュ モードを有効にするには、次の手順を実行します。
  1. [ツール] メニューの [電子メール アカウント] をクリックします。
  2. [電子メール アカウント] ダイアログ ボックスの [既存の電子メール アカウントの表示と変更] をクリックし、[次へ] をクリックします。
  3. [Microsoft Exchange Server] が選択されていることを確認し、[変更] をクリックします。
  4. [電子メール アカウント] ダイアログ ボックスで、[Exchange キャッシュ モードを使う] チェック ボックスをオンにし、[次へ] をクリックします。
  5. [OK] をクリックし、Outlook 2003 を再起動します。

Exchange キャッシュ モードの Outlook 2003 におけるデータの同期方法

Outlook 2003 と Exchange Server 2003 との間で初期同期を実行するために必要な時間は、主にメールボックスのサイズと Exchange Server 2003 コンピュータへの接続の速度に依存します。

初期同期が完了するまで、データにはアクセスできません。したがって、Exchange キャッシュ モードを初めて開始するときには、高速な接続を使用することをお勧めします。

初期同期が完了すると、ローカル コピーは Outlook 2003 によって自動的に最新の状態に維持されます。サーバー上のデータが更新された場合は、その変更の同期が必要なことが Outlook 2003 に通知されます。サーバー上での変更は、新しいメッセージが受信された場合や、別のクライアントが既存のデータに変更を加えた場合に発生することがあります。ローカル データが変更された場合は、それらの変更が Outlook 2003 によって自動的にサーバーと同期されます。この処理はリアルタイムに実行され、ユーザーの操作は必要ありません。

Exchange キャッシュ モードの同期間隔

利便性とネットワーク効率を両立させるため、Outlook 2003 と Exchange Server 2003 の間の通信で同期を行う間隔は同期タイマを使用して最適化されています。

警告 : レジストリ エディタの使い方を誤ると、深刻な問題が発生することがあります。最悪の場合、オペレーティング システムの再インストールが必要になることがあります。マイクロソフトは、レジストリ エディタの誤用により発生した問題に関しては、一切責任を負わないものとします。レジストリ エディタは、自己の責任においてご使用ください。

この同期タイマの値は、HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\11.0\Outlook\Cached Mode レジストリ キーの下に次のレジストリ キーを作成して値を設定することにより変更できます。
  • [Upload=dword:0000000f] (デフォルト値は 15 秒)
  • [Download=dword:0000001e] (デフォルト値は 30 秒)
  • [Maximum=dword:0000003c] (デフォルト値は 60 秒)

デフォルトでは、Exchange キャッシュ モードを使用しているクライアントでユーザーがローカルの変更を行うたびに Upload タイマが開始されます。変更が発生する状況によって、次の動作が実行されます。
  • Upload タイマの 15 秒の期間にローカルの変更が発生した場合は、Upload タイマが再開されます。
  • 15 秒の期間が経過するまで他にローカルの変更が発生しなかった場合は、データがサーバーと同期されます。
  • 15 秒の期間が経過するまで変更が継続して発生した場合は、1 分後の時点ですべての変更が Exchange Server コンピュータと同期されます。それ以上は延期されません。
Exchange Server コンピュータによって Outlook 2003 に変更が通知されると、Download タイマが開始されます。Outlook では変更情報の受信が延期されます。Outlook には、サーバーでの変更が次々と通知されるため、この動作によりサーバーの負荷が軽減され、ネットワークのパフォーマンスが改善されます。Download タイマの 30 秒の期間に発生したすべての通知はまとめられて、タイマの終了時に処理されます。その後、サーバーからの次の通知に備えてタイマがリセットされます。 新着メールの通知を受信すると、Outlook 2003 は新規アイテムまたは変更されたアイテムが格納されているフォルダを同期します。未読数が更新され、各種のルールが処理されます。

Outlook 2003 でフォルダが同期される順序

Outlook 2003 は、Exchange Server 2003 コンピュータと同期するときに、ユーザーには透過的な、高度な学習アルゴリズムを使用します。このアルゴリズムでは、最も頻繁に使用されるフォルダの同期に、より高い優先度を設定します。この動作により、最適なユーザー エクスペリエンスがもたらされます。Outlook 2003 では、各フォルダが次の順序で同期されます (これは、Outlook を十分な期間使用して、同期の優先度が学習されるまでの間使用される順序です)。
  1. ユーティリティ フォルダ (共通ビュー、ビュー、およびセキュリティ設定)
  2. 予定表
  3. 連絡先
  4. 下書き
  5. 受信トレイ
  6. それ以外のフォルダ (ユーザー定義フォルダ)
  7. 送信済みアイテム
  8. 削除済みアイテム
  9. [パブリック フォルダ] の [お気に入り] (ユーザー追加フォルダ)

Outlook 2003 の [同期の失敗] フォルダ

Outlook 2003 は、サーバー上の不正なアイテムや無効なアイテムの処理をスキップし、ログに記録して、同期を正しく続行します。これらのアイテムは、[同期の失敗] フォルダにある [サーバーの失敗] フォルダまたは [ローカルの失敗] フォルダに適切に保存されます。[同期の失敗] フォルダとそのサブフォルダは、ナビゲーション ウィンドウの [フォルダ一覧] ビューにのみ表示され、ナビゲーション ウィンドウの [メール] セクションの [すべてのメール フォルダ] の一覧には表示されません。

Outlook 2003 の Exchange キャッシュ モードを使用する際に避けた方がよいこと

Outlook 2003 はいくつかの方法で Exchange Server 2003 と接続するため、Outlook 2003 の関数や機能の一部は Exchange キャッシュ モードでは正常に動作しません。避けた方がよい使用方法について以下に説明します。これらの使用方法を避けることで、Outlook 2003 の Exchange キャッシュ モードを使用するときに全体的なパフォーマンスで最大の効果が得られます。

Exchange キャッシュ モードの効果を低下させる Outlook 2003 の一般的な機能

Outlook 2003 の機能によっては、ネットワーク アクセスが必要であったり、Exchange キャッシュ モードの機能が使用されなかったりするため、Exchange キャッシュ モードの効果が低下します。Exchange キャッシュ モードを使用する主な利点は、クライアントをネットワークの問題やサーバーとの接続の問題とは無縁にすることです。Outlook 2003 の Exchange キャッシュ モードを使用していない場合、ネットワーク アクセスに依存する機能には遅延が発生することがあります。

以下に示す Outlook 2003 の操作は、ネットワーク アクセスに依存しています。このため、Exchange Server 2003 への接続が低速なときには、これらの操作によってクライアントのパフォーマンスに遅延が発生することがあります。
  • 代理人が電子メールにアクセスする
  • 別のユーザーの予定表またはフォルダを開く
  • キャッシュされていないパブリック フォルダを使用する
空き時間情報の検索などの Outlook 2003 の特定の操作でも、必要な情報を取得するためにネットワーク アクセスが必要になります。この要件によって、Exchange Server 2003 のデータに対して高速な接続が使用されていても、応答の遅延が発生することがあります。機能へのアクセスがあったときにだけ遅延が発生するのではなく、予期しないときに発生することがあります。

Exchange キャッシュ モードを展開する場合は、次の機能を無効にするか、実装しないことを検討してください。
  • 通知機能と電子メール メッセージに対するデジタル署名の組み合わせ。Outlook 2003 は、デジタル署名を検証するためにネットワーク サーバーを使用する必要があります。デフォルトでは、受信トレイに新しい電子メール メッセージが到着したときに、Outlook 2003 によって電子メール メッセージの一部を含む通知メッセージが表示されます。通知メッセージをクリックして、署名された電子メール メッセージを開くと、Outlook 2003 はネットワーク アクセスを使用して、電子メール メッセージの有効な署名を検索します。
  • 複数のアドレス帳コンテナ。アドレス帳には、通常、グローバル アドレス一覧と連絡先フォルダが含まれます。組織によっては、グローバル アドレス一覧のサブセットを構成しています。これらのサブセットのアドレス帳は、[アドレス帳] に表示され、アドレス帳の検索順序を定義する一覧にも含めることができます。サブセットのアドレス帳が検索順序の一覧に含まれていると、Outlook 2003 で電子メール メッセージ内の名前を解決するたびに、これらのアドレス帳をチェックするためにネットワーク アクセスが必要になる場合があります。
: グローバル アドレス一覧の [プロパティ] ダイアログ ボックスにある [全般] タブでカスタム プロパティを追加しないでください。Outlook はカスタム プロパティをオンラインで取得する必要があります。カスタム プロパティを表示すると、グローバル アドレス一覧の詳細を開くユーザー エクスペリエンスに問題が発生することがあります。 また、[組織] タブやその他のタブをクリックしたときにも、ネットワーク アクセスが必要になります。

Outlook 2003 アドイン

特定の Outlook 2003 アドインをインストールすると、Exchange キャッシュ モードを使用する利点が損なわれる場合があります。アドインによっては、Exchange キャッシュ モードで通常使用する機能であるヘッダー モード ([ヘッダーのみダウンロード]) を使用せずに、オブジェクト モデルを使用して Outlook 2003 のデータにアクセスします。たとえば、Microsoft ActiveSync を使用してハンドヘルド コンピュータと同期される際に、ヘッダーだけでなく Outlook 2003 のすべてのアイテムがダウンロードされます。この動作は、低速な接続を介している場合にも実行されます。また、プログラムによっては効率の劣る同期方法が使用されている場合があるため、この更新処理は Outlook 2003 でアイテムをダウンロードする場合よりも時間がかかります。

クライアント側のルール

Outlook 2003 を Microsoft Exchange Server 2003 と一緒に使用すると、サーバー ベースのルールとクライアント側のルールの両方を使用できます。サーバー ベースのルールは、サーバー上で処理できます。たとえば、配信場所のメールボックスを使用しているユーザーは、特定のエイリアスからの電子メール メッセージをすべて削除するルールを使用できます。[受信トレイ] フォルダと [削除済みアイテム] フォルダはいずれもサーバー上に格納されているため、このルールはクライアントからの操作がなくてもサーバーで処理できます。 クライアント側のルールには、クライアントによる処理が必要です。

たとえば、特定の種類の電子メール メッセージが格納される個人用フォルダ (.pst) ファイルがあるとします。.pst ファイルでは、特定のエイリアスからのすべての電子メール メッセージをそのフォルダに移動するルールが使用されています。この場合、.pst ファイルはローカル コンピュータ上に配置されているので Outlook 2003 からしかアクセスできず、Exchange Server ではアクセスできないため、サーバーですべての処理を実行できるわけではありません。Exchange Server 2003 は、そのファイルが次に同期されるときに実行される遅延処理のアイテムをサーバー上に作成します。ユーザーは遅延処理を実行する必要があるため、特に低速な接続を使用して作業している場合にはクライアント側のルールがシステムのパフォーマンスに甚大な影響を与える可能性があります。システムのパフォーマンスを向上させるには、以下の作業の実施を検討してください。
  • 不要なクライアント側のルールをすべて削除する。
  • 自動仕訳ウィザードで [仕訳ルールの処理を中止する] をクリックする。
  • 迷惑メールのルールを使用しない。迷惑メールのルールによって、同期処理の速度が低下することがあります。

プロパティ

文書番号: 870926 - 最終更新日: 2007年12月19日 - リビジョン: 1.6
この資料は以下の製品について記述したものです。
  • Microsoft Exchange Server 2003 Enterprise Edition
  • Microsoft Exchange Server 2003 Standard Edition
  • Microsoft Office Outlook 2003
キーワード:?
kbinfo kbexchtechbulletin KB870926
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