Microsoft Office Excel 2007 における分析ツール (ATP) の変更について

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文書番号: 912719 - 対象製品
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目次

はじめに

この資料では、Microsoft Office Excel 2007 における分析ツール (ATP) の変更について説明します。

詳細

分析ツールに含まれていた関数が、Excel 2007 のネイティブ関数ライブラリに収められました。この変更には、以下の利点があります。
  • 分析ツール関数がさまざまなロケールにわたって機能し、特定の言語でネイティブ関数のように動作します。
  • 分析ツール関数用のヒントが表示されます。
  • 分析ツール関数のみを使用するスプレッドシート用の分析ツール アドインが不要となります。
  • オブジェクト モデル内で組み込み関数と分析ツール関数をプログラムから呼び出す場合に同じ構文を使用できます。
分析ツールの関数が Microsoft Excel のネイティブ関数ライブラリに移動されたため、入力される値によっては、Microsoft Office Excel 2003 と Excel 2007 とで結果が異なる場合があります。これらの変更と影響について、以下に説明します。

丸め処理

Excel 2003 およびそれ以前のバージョンの Excel では、すべての分析ツール関数で、文字列から数値、またはその逆の変換を行うのに C メソッドが使用されていました。Excel 2007 の分析ツール関数では、文字列と数値の変換に Excel のルーチンが使用されます。この変更によって差異が生じるのは、精度が低くなる場合だけです。たとえば、15 桁の精度を超える、テキストとして書式設定された数値を使用すると、精度が低くなります。この場合、以前のバージョンの Excel では結果に対して丸め処理が実行されましたが、Excel 2007 では、結果に対して切り捨て処理が実行されます。

組み込み関数

Excel 2007 の組み込み関数では、内部算術ライブラリを使用して算術演算が実行されます。内部算術ライブラリは、Excel のすべてのバージョンで一貫性が維持されています。

MOD 関数、LCM 関数、および GCD 関数

mod (剰余) 関数が内部算術ライブラリに変更されたため、LCM (最小公倍数) および GCD (最大公約数) 関数では、以前のバージョンの Excel よりも広い範囲から正しい答が返されます。このため、Excel 2003 で #NUM! または不適切な値が返されていた場合でも、Excel 2007 では正しい結果が提供されます。

サインおよびコサイン

Excel 2003 の分析ツール コードでは、サインおよびコサインの計算に C ランタイム関数が使用されます。Excel 2007 では、浮動小数点計算の精度制限のために、PI の倍数の値でサインは正確なゼロに戻りません。同じことが、PI/2 の奇数倍の値でコサインに対して発生します。

Excel 2007 では、内部算術ライブラリでサインとコサインが計算されますが、これらの場合にも同様に正確なゼロは返されません。しかし、その結果は、以前のバージョンの Excel で返される値とは異なります。

この変更により、以下の関数では、特定の入力に対してわずかに異なる答えが返されることがあります。
  • BESSELI
  • BESSELJ
  • BESSELK
  • BESSELY
  • IMSIN
  • IMCOS
  • IMEXP
  • IMSQRT
  • IMPOWER

PI/2 定数

Excel 2003 の分析ツール コードでは、PI/2 の値として定数 1.5707963267448899 が使用されます。Excel 2007 では、PI/2 の値として定数 1.5707963267948966 が使用されます。この変更により、わずかに異なる結果が返されますが、結果はより正確になっています。

たとえば、次の数式を Excel 2007 で実行すると、結果として -9.4091401336982E-14-512i が返されます。
=IMPOWER("8i",3)
しかし、以前のバージョンの Excel では同じ数式を実行すると、結果として -1.00984914874758E-011-512i が返されます。

虚数の形式

分析ツール関数を Excel 2007 の組み込み関数にする際に、虚数を返す関数では、他のバージョンの Excel とは異なる指数表記の規則が使用されるようになりました。

たとえば、次の数式を Excel 2007 で実行すると、結果として 2.23+0.02i が返されます。
=IMSUM({"3.23+1.02i";"-1";"-i"})
しかし、以前のバージョンの Excel では同じ数式を実行すると、結果として 2.23+2E-002i が返されます。

この変更は、Excel 2007 の次の関数に影響します。
  • IMSIN - さらに、この関数は、サインおよびコサインの変更の影響も受けます。
  • IMCOS - さらに、この関数は、サインおよびコサインの変更の影響も受けます。
  • IMSQRT - さらに、この関数は、サインおよびコサインの変更の影響も受けます。
  • IMEXP - さらに、この関数は、サインおよびコサインの変更の影響も受けます。
  • IMPOWER - さらに、この関数は、サインおよびコサインの変更の影響も受けます。
  • IMAGINARY
  • IMREAL
  • IMARGUMENT
  • IMCONJUGATE
  • IMDIV
  • IMLN
  • IMLOG10
  • IMLOG2
  • IMPRODUCT
  • IMSUB
  • IMSUM

ガンマ関数

以前のバージョンの Excel の分析ツール関数が、Excel の内部算術ライブラリを使用してガンマ関数を計算するようになっています。この変更により異なる計算結果が返されます。この違いはガンマ計算中に小数点以下 16 桁目で発生し、最終的に小数点以下 15 桁目が異なる数値となって現れます。

たとえば、次の数式を Excel 2007 で実行すると、結果として 0.777297410872743 が返されます。
=ERFC(0.2)
しかし、以前のバージョンの Excel では同じ数式を実行すると、結果として 0.777297410872742 が返されます。

ガンマ計算を必要とする関数は、次のとおりです。
  • ERF
  • ERFC

POWER 関数

以前のバージョンの Excel の分析ツール関数が、Excel の内部算術ライブラリを使用して指数を計算するようになっています。

たとえば、次の数式を Excel 2007 で実行すると、結果として 5.6532585945698% が返されます。
=effect(0.055,199)
しかし、以前のバージョンの Excel では同じ数式を実行すると、結果として 5.65325859456989% が返されます。

次の関数は指数計算を使用しており、この変更の影響を受ける可能性があります。
  • すべての基数変換関数、A2B。ここで、A および B は集合 {Hex, Dec, Oct, Bin} の要素であり、A <> B となる必要があります。
  • IMPOWER
  • SERIESSUM
  • XNPV および XIRR
  • すべての TBILL 関数
  • すべての Dollar 関数
  • Nominal および Effect
  • Duration および MDuration
  • OddFPrice および OddFYield
  • WEEKNUM
  • CUMPRINC および CUMIPMT
  • PRICE および YIELD

Excel 2007 の分析ツール関数

次の表は、以前のバージョンの Excel で利用可能であり、Excel 2007 でネイティブ関数となっているすべての分析ツール関数の一覧です。
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ACCRINT ACCRINTM AMORDEGRC
AMORLINC BESSELI BESSELJ
BESSELK BESSELY BIN2DEC
BIN2HEX BIN2OCT CO MPLEX
CONVERT COUPDAYBS COUPDAYS
COUPDAYSNC COUPNCD COUPNUM
COUPPCD CUMIPMT CUMPRINC
DEC2BIN DEC2HEX DEC2OCT
DELTA DISC DOLLARDE
DOLLARFR DURATION EDATE
EFFECT EOMONTH ERF
ERFC FACTDOUBLE FVSCHEDULE
GCD GESTEP HEX2BIN
HEX2DEC HEX2OCT IMABS
IMAGINARY IMARGUMENT IMCONJUGATE
IMCOS IMDIV IMEXP
IMLN IMLOG10 IMLOG2
IMPOWER IMPRODUCT IMREAL
IMSIN IMSQRT IMSUB
IMSUM INTRATE ISEVEN
ISODD LCM MDURATION
MROUND MULTINOMIAL NETWORKDAYS
NOMINAL OCT2BIN OCT2DEC
OCT2HEX ODDFPRICE ODDFYIELD
ODDLPRICE ODDLYIELD PRICE
PRICEDISC PRICEMAT QUOTIENT
RAND BETWEEN RECEIVED SERIESSUM
SQRTPI TBILLEQ TBILLPRICE
TBILLYIELD WEEKNUM WORKDAY
XIRR XNPV YEARFRAC
YIELD YIELDDISC YIELDMAT

プロパティ

文書番号: 912719 - 最終更新日: 2006年12月21日 - リビジョン: 1.2
この資料は以下の製品について記述したものです。
  • Microsoft Office Excel 2007
キーワード:?
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