IPv4 ルート用の自動メトリック機能について

適用対象: Windows Server 2008 Web EditionWindows Server 2008 DatacenterWindows Server 2008 Enterprise 詳細

概要


この資料では、Windows でインターネット プロトコル IPv4 ルートに対して使用される自動メトリック機能について説明します。

詳細情報


メトリックとは、特定のネットワーク インターフェイスの IP ルートに割り当てられる値であり、そのルートを使用した場合のコストを識別する値です。 たとえば、リンク速度、ホップ数、遅延時間などからメトリックを見積もることができます。 自動メトリックは、リンク速度に基づくローカル ルートのメトリックを自動的に構成する、Windows の新機能です。 自動メトリック機能は既定では有効になっていて、特定のメトリックを割り当てるように手動で構成することもできます。

自動メトリック機能は、ルーティング テーブルに同じ宛先に対して複数のルートが含まれている場合に役立ちます。 たとえば、10 メガビット (Mb) ネットワーク インターフェイスと 100 Mb ネットワーク インターフェイスが搭載されたコンピューターがあり、そのコンピューターのデフォルト ゲートウェイが両方のネットワーク インターフェイスに対して構成されている場合、自動メトリック機能は、より低速なネットワーク インターフェイスに対して、より大きなメトリック値を割り当てます。 この機能は、インターネットを宛先とするすべてのトラフィックに対して、たとえば利用できる最速のネットワーク インターフェイスを使用するように、強制することができます。

: 通常、マイクロソフトでは、複数のディスジョイント ネットワークをまたがってデフォルト ゲートウェイを追加することは推奨していません。 たとえば、エッジ サーバー (ネットワーク アドレス変換 (NAT) サーバー、プロキシ サーバーなど) は通常、2 つまたはそれ以上のディスジョイント ネットワーク (パブリック インターネットと、1 つまたは複数のプライベートイントラネット) を接続するように構成されています。 このような場合、ネットワーク上のルーティング不良を招く可能性があるため、プライベート インターフェイス上ではデフォルト ゲートウェイを割り当てるべきではありません。

次の表は、各種速度のネットワーク インターフェイスにバインドされたルートにメトリックを割り当てる際に Windows が使用する条件を示しています。
 
リンク速度 メトリック
2 GB 以上 5
200 Mb 超 10
20 Mb 超 200 Mb 以下 20
4 Mb 超 20 Mb 以下 30
500 Kb 超 4 Mb 以下 40
500 Kb 以下 50

次の表は、Windows XP Service Pack 2 以降のバージョンの Windows オペレーティング システムを実行しているコンピューターについて、リンク速度と、割り当てられるメトリックの一覧を示しています。
 
リンク速度 メトリック
2 GB 以上 5
200 Mb 超 10
80 Mb 超 200 Mb 以下 20
20 Mb 超 80 Mb 以下 25
4 Mb 超 20 Mb 以下 30
500 Kb 超 4 Mb 以下 40
500 Kb 以下 50
次の表は、Windows 10 以降のバージョンの Windows オペレーティング システムを実行しているコンピューターについて、リンク速度と、割り当てられるメトリックの一覧を示しています。
インターフェイスに使用する物理メディアの種類が NdisPhysicalMediumWirelessLan、NdisPhysicalMediumWirelessWan、NdisPhysicalMediumNative802_11 の場合:
リンク速度 メトリック
2 GB 以上 25
500 Mb 以上 2 Gb 未満 30
200 Mb 以上 500 Mb 未満 35
150 Mb 以上 200 Mb 未満 40
80 Mb 以上 150 Mb 未満 45
50 Mb 以上 80 Mb 未満 50
20 Mb 以上 50 Mb 未満 55
10 Mb 以上 20 Mb 未満 60
4 Mb 以上 10 Mb 未満 65
2 Mb 以上 4 Mb 未満 70
500 Kb 以上 2 Mb 未満 75
200 Kb 以上 500 Kb 未満 80
200 Kb 未満 85
他の種類のインターフェイスの場合:
リンク速度  メトリック
100 Gb 以上  5
40 Gb 以上 100 Gb 未満  10
10 Gb 以上 40 Gb 未満  15
2 Gb 以上 10 Gb 未満  20
200 Mb 以上 2 Gb 未満  25
80 Mb 以上 200 Mb 未満  35
20 Mb 以上 80 Mb 未満  45
4 Mb 以上 20 Mb 未満  55
500 Kb 以上 4 Mb 未満  65
500 Kb 未満  75


自動メトリック機能は、ネットワーク内の各ネットワーク インターフェイスに対して個別に構成します。 この機能は、同じ速度のネットワーク インターフェイスが複数あり、たとえば、各ネットワーク インターフェイスにデフォルト ゲートウェイが割り当てられているような場合に役立ちます。 このような場合、一方のネットワーク インターフェイスについては手動でメトリックを構成し、他方のネットワーク インターフェイスについては自動メトリック機能を有効にしてメトリックを構成するといった使い方ができます。 このようにセットアップすることで、IP トラフィックのルーティングにおいて最初に使用されるネットワーク インターフェイスを制御できるようになります。

さらに、特定のデフォルト ゲートウェイに割り当てるメトリックを、各ゲートウェイに対して個別に構成できます。 このようにセットアップすることで、ローカル ルートで使用されるメトリックをより高度に制御することができます。 たとえば、自動メトリック機能を有効にしてネットワーク インターフェイスに割り当てるルートを構成し、それと同時に、デフォルト ゲートウェイに割り当てるメトリックを手動で構成することが可能です。

: ネットワーク インターフェイス レベルでメトリックを指定しても、ゲートウェイを追加して、自動メトリック機能の対象として構成すると、このゲートウェイは、ネットワーク インターフェイスに割り当てられたメトリックを継承できます。 たとえば、ネットワーク インターフェイス レベルでメトリック 5 を割り当てた後、ゲートウェイを追加して、このゲートウェイに対して自動メトリック機能のチェックを付けたままにすると、このゲートウェイにもメトリック 5 が割り当てられます。 ワイヤレスなどの半二重インターフェイスの場合、有効速度は、通知された速度の半分です。 

自動メトリック機能は、"停止しているゲートウェイの検出" 機能 (ネットワークに対して、伝送制御プロトコル (TCP) の再転送に基づくデフォルト ゲートウェイの切り替えを強制できる機能) とは異なります。 また、"ルーティングとリモート アクセス" 機能が "停止しているゲートウェイの検出" 機能をアクティブ化することはありません。 このアクティブ化は、TCP セッションを開始したコンピューター上で TCP/IP スタックによって実行されます。

関連情報を参照するには、次のマイクロソフト サポート技術情報番号をクリックしてください。

205027 RRAS およびデマンド ダイヤル接続による、停止しているゲートウェイの検出
自動メトリック機能を設定するには、次の手順を実行します。
  1. コントロール パネルの [ネットワーク接続] をダブルクリックします。
  2. ネットワーク インターフェイスを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
  3. [インターネット プロトコル (TCP/IP)] をクリックし、[プロパティ] をクリックします。
  4. [全般] タブの [詳細設定] をクリックします。
  5. メトリックを指定するには、[IP 設定] タブの [自動メトリック] チェック ボックスをオフにし、指定するメトリックを [インターフェイス メトリック] ボックスに入力します。