Service Pack 1 以前のリリースの Ntfrs.exe で解決された問題

概要

ファイル レプリケーション サービス (FRS) の堅牢性を向上する更新プログラムが含まれた、Microsoft Windows Server 2003 Service Pack 1 (SP1) 以前の修正プログラムを入手できます。この資料では、修正プログラムに含まれている FRS の変更点と、修正プログラムの入手方法について説明します。

この資料で使用するキーワードと概念

  • 変更命令 (別名 CO)

    レプリカ メンバのファイルまたはフォルダを変更するときの、変更についての情報 (ファイル名、メンバの ID など) は "変更命令" と呼ばれ、メッセージの構成に使用されます。変更命令はメンバの出力方向のパートナーに送信されます。出力方向のパートナーは、変更を受け入れる場合、関連するステージング ファイルを要求します。パートナーの個別のレプリカ ツリーに変更が取り込まれると、次の出力方向のパートナーに変更命令が伝達されます。
  • ファイル GUID

    ファイルとフォルダは、ファイル GUID で識別されます。ファイル GUID はレプリケーション サービスで作成および管理されます。ファイル GUID はレプリケーションのバージョン番号およびイベント時刻と共に、FRS データベースの File ID テーブルに格納されます。対応するファイルおよびフォルダは、すべてのレプリカ セット メンバで同一のファイル GUID を持ちます。
  • File ID テーブル

    File ID テーブルは、FRS データベースのテーブルの 1 つで、レプリカ ツリーの各ファイルおよび各フォルダのバージョンと ID に関する情報が含まれるエントリが格納されています。
  • ID を使用したレプリケーション

    レプリカ ツリーのすべてのオブジェクトには、一意の ID が割り当てられています。FRS では、16 バイトの GUID を含んだ NTFS オブジェクト ID 属性が使用されます。すべてのレプリカ メンバの同一のオブジェクトは、同一のオブジェクト ID を持ちます。このようなしくみにより、オブジェクトの GUID および対応する親の GUID を使用することで、オブジェクトの位置情報を明確に指定できます。
  • レプリカ パートナー

    あるレプリカ メンバのすぐ上流、およびすぐ下流のパートナーをレプリケーション パートナーと呼びます。上流のパートナーは、入力方向のパートナーとも呼びます。下流のパートナーは、出力方向のパートナーとも呼びます。
  • レプリカ セット

    FRS で、フォルダのコンテンツをレプリケートするように構成した 2 台以上のコンピュータをレプリカ セットといいます。レプリカ セットの個別のコンピュータをレプリカ メンバと呼びます。
  • 更新シーケンス番号 (USN)

    NTFS では、単調に増加するシーケンス番号をボリュームごとに管理しています。この番号が更新シーケンス番号 (USN) です。ボリューム上のファイルに変更が行われるごとに、USN がインクリメントされます。
  • バージョン ベクタ

    このベクタは USN のベクタであり、レプリカ セットのメンバごとに 1 つのエントリが存在します。すべての変更命令には、発信メンバの発信者 GUID および関連する USN が含まれています。レプリカ セットの各メンバが更新を受信すると、発信メンバに割り当てられているベクタ スロット内の USN を追跡します。このベクタは、レプリカ ツリーがどのくらい最新の状態に保たれているかをメンバごとに示すものです。バージョン ベクタを使用して、既に更新を受信している可能性がある入力方向のパートナーからの更新をフィルタ選択します。また、2 つのメンバが参加しているときは、入力方向のパートナーにもバージョン ベクタが配信されます。新しい接続が作成されると、バージョン ベクタを使用して、新しい出力方向のパートナーには表示されない最新の更新が File ID テーブルにあるかどうかがスキャンされます。

詳細

FRS はマルチスレッド、マルチマスタのレプリケーション エンジンです。Windows Server 2003 および Windows 2000 をベースとするドメイン コントローラおよびサーバーでは、グループ ポリシーの設定や、クライアント コンピュータで実行するログオン スクリプトをレプリケートするために FRS を使用します。また、FRS を使用して、同一のフォールト トレラント分散ファイル システム (DFS) ルートまたは子ノードのレプリカをホストする Windows Server 2003 ベースおよび Windows 2000 ベースのサーバーどうしで、コンテンツをレプリケートできます。

この修正プログラムで解決する問題の一覧

以下に、この資料に記載した修正プログラムで解決する問題の一覧を示します。
  • エラー メッセージ "<StuInstallRename: 420: 1430: S3: 00:00:00> :: CoG 91cc0f81, CxtG 847d1e73, FV 2, FID 00010000 00000026, FN: DirName , [Rename failed (ERROR_ACCESS_DENIED)]"

    既存のファイルの変更命令が黙示的に名前を変更する変更命令であるときに、形態の競合が未確認の状況で、このエラー メッセージが表示される場合があります。入力方向からの変更命令は、通常、名前の競合の有無を確認した後で、黙示的に名前を変更する変更命令になります。しかし、既存のファイルの変更命令に形態の競合があるかどうかを確認しないで、形態が生成されない場合、変更命令は Install に "DirName" という名前を残します。その結果、ファイルをインストールするときに、名前の変更操作が "DirName" でブロックされて処理できません。
  • イベント ID 13508 警告メッセージに関する情報が不完全

    イベント ログに出力されるイベント ID 13508 警告メッセージの情報は完全ではありません。ログにこのメッセージが出力される場合、対処を把握できない場合があります。
  • イベント ID 13506 エラーがログに出力され、FRS が断続的に応答を停止する

    FRS が数分間応答を停止する場合があります。イベント ログには、次のようなエントリが出力されます。
    エラー 13505 STOPPED_ASSERT

    情報 13502 STOPPING

    エラー 13555 IN_ERROR_STATE STRINGS: SystemRoot\ntfrs\jet

    エラー 13506 ASSERT STRINGS: ChgOrdDispatch: | 7340 | COE_FLAG_ON(ChangeOrder, COE_FLAG_NEED_DELETE)

    警告 13508 LONG_JOIN STRINGS: COMP1 | COMP2

    情報 13501 STARTING

    エラー 13505 STOPPED_ASSERT

    情報 13502 STOPPING

    エラー 13555 IN_ERROR_STATE
  • 大きなファイルの Vvjoin ステージング生成に多くの時間を要する場合、レプリケーションが応答を停止 (ハング) する

    大きなファイルの vvjoin ステージング ファイル生成が完了するまでに多くの時間を要する場合、フェッチ要求のタイムアウトが発生することがあります。その結果、レプリケーションが応答を停止 (ハング) する場合があります。
  • レプリカ セット ルートにファイル システム ポリシーが存在しないうちに、ドメイン コントローラの Sysvol に準備完了のマークが付く

    レプリカ セット ルートにファイル システム ポリシーが存在しないうちに、ドメイン コントローラに昇格したばかりのサーバーの Sysvol に準備完了のマークが付く場合があります。
  • Windows Management Instrumentation (WMI) のメモリ リーク状態

    FRS のハンドル リークにより、WMI がメモリ リーク状態になる場合があります。

この修正プログラムに含まれる更新プログラム

この資料に記載した修正プログラムを適用すると、FRS に以下の新機能が追加されます。
  • Debug フォルダのセキュリティ設定

    Everyone グループには、Debug フォルダおよびその中にあるデバッグ ログ ファイルに対するフル コントロール アクセス許可があります。このデバッグ ログに含まれる情報には、ファイルやフォルダの名前、および FRS 操作に関連するその他の情報が含まれています。レプリケートされたファイルのコンテンツに関する有用な情報は含まれていません。Administrators グループのメンバのみが、FRS により作成された他のフォルダ (Staging、Database、Pre-Install、および Pre-Existing) へのアクセス許可を持っています。


    この修正プログラムを適用すると、FRS により作成された他のフォルダのセキュリティ設定と一致する Debug フォルダのセキュリティ設定を増やすことができます。
  • レプリケーションを強制的に実行する NTFRSUTL FORCEREPL コマンド ライン オプション

    新しい ntfrsutl forcerepl コマンドを使用して、あらかじめ定義されているレプリケーション スケジュールとは無関係にレプリケーションを強制的に実行できます。このコマンドはドメイン コントローラの Sysvol レプリカ セットに対してのみ実装されます。


    ntfrsutl forcerepl [Computer] /r [SetName] /p [DnsName]

    このコマンドを実行すると、FRS のレプリケーション サイクルが強制的に開始されます。ComputerSetNameDnsName を指定する必要があります。


    : このコマンドで使用されているプレースホルダを以下に示します。
    • [Computer] = NtFrs サービスに接続するコンピュータ
    • [SetName] = レプリカ セットの名前
    • [DnsName] = レプリケーションを強制する入力方向のパートナーの DNS 名

    以下に例を示します。

    ntfrsutl.exe forcerepl DestinationDC /r "Domain System Volume (SYSVOL share)" /p SourceDC.domain.com

    この例で、/r オプションを使用するときの引用符は必須です。引用符を付けないと、コマンドが機能しません。
  • NTFS ジャーナル サイズの増加

    FRS では、ファイル変更時の警告処理に、NTFS ファイル システム ジャーナルを使用します。ジャーナルをラップすると、レプリケートする必要がある変更を FRS で追跡できなくなり、非 Authoritative Restore (権限のない復元) 操作をユーザーが実行する必要があります。この修正プログラムを適用すると、NTFS ジャーナル サイズが 512 MB に増加し、ジャーナルがラップされるリスクを軽減します。
  • 共有違反の問題のための新しいオプション

    新機能 Install Override を使用すると、FRS によるファイル インストール時の共有違反を無効にできます。また、共有違反関連の活動についてのログを出力するための新しいイベント ID が作成されます。
    関連情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

    822300 使用中のデータを FRS でレプリケートするときにエラー "ERROR_SHARING_VIOLATION" が発生する

    816493 ファイル レプリケーション サービスを構成して、レプリケーションをブロックする共有違反を軽減する方法

修正プログラムの情報

マイクロソフトでは、この製品のデフォルトの動作を変更する、サポートされた機能を用意していますが、この機能はこの資料に記載された動作のみを修正することを目的としており、この機能を必要とするコンピュータに対してのみ適用することを推奨します。この機能は、今後さらにテストを行う場合があります。したがって、この機能の不足により深刻な影響を受けていない場合は、この機能が含まれる次の Windows Server 2003 Service Pack がリリースされるまで待つことを推奨します。


この機能を入手するには、Microsoft Product Support Services にお問い合わせください。Microsoft Product Support Services の電話番号一覧およびサポート料金については、次のマイクロソフト Web サイトを参照してください。

必要条件

必要条件はありません。

再起動の必要性

この修正プログラムの適用後、コンピュータを再起動する必要があります。

修正プログラムの置き換えに関する情報

この修正プログラムを適用しても、他の修正プログラムが置き換えられることはありません。

ファイル情報

この修正プログラムを適用するサーバーに、Windows Server 2003 サポート ツールがインストールされている場合、Support Tools フォルダの NTFRSUTL.EXE を新しいバージョンの NTFRSUTL.EXE に置換する必要があります。また、新しいバージョンの NTFRSUTL.EXE は %systemroot%\system32 にインストールされるため、Support Tools フォルダ内の NTFRSUTL.EXE は削除することができます。

修正プログラム (英語版) のファイル属性は次表のとおりです。ただし、これより新しい修正プログラムがリリースされている可能性もあります。各ファイルの日付および時刻は、世界協定時刻 (UTC) で示されています。ファイル情報に表示される時刻は、ローカル時刻に変換されています。UTC とローカル時刻との時差を確認するには、コントロール パネルの [日付と時刻] の [タイム ゾーン] タブを使用してください。

日付 時刻 バージョン サイズ ファイル名
-------------------------------------------------------
23-Jan-2004 01:49 5.2.3790.121 772,096 Ntfrs.exe
23-Jan-2004 01:49 5.2.3790.121 57,856 Ntfrsapi.dll
23-Jan-2004 01:49 5.2.3790.121 21,504 Ntfrsprf.dll
23-Jan-2004 01:49 5.2.3790.123 9,728 Ntfrsutl.exe
重要 : この修正プログラムを適用すると、デフォルトのジャーナル サイズが 128 MB から 512 MB に増加します。適切なレジストリ キーを手動で設定して増加を抑止するか、サイズの増加に見合った十分なハード ディスクの空き領域を確保する必要があります。
FRS レジストリ エントリの関連情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

221111 レジストリの FRS エントリの説明

プロパティ

文書番号:823230 - 最終更新日: 2008/01/13 - リビジョン: 1

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