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すべてのプロジェクトによく見られるものがリスクです。つまり、ご自身やチームでプロジェクトを実施した場合に、物事がどのように展開するかわからないことから生じる、ある程度の不確実性です。不運な出来事、また場合によっては予期せぬ機会からのプロジェクトの脱線を防ぐには、プロジェクトのリスク マネジメント計画を作成し、Project Online のサブスクリプションを使用して Project Web App で追跡します。

この記事の内容

リスク管理とそのプロジェクト管理との関係

リスクとは、プロジェクトに悪影響を与える可能性のあるすべてのレベルの不確定要素です。通常、リスクは、建設プロジェクトの遅れを発生させたハリケーンなど、発生する可能性のある悪い事柄の観点から考えます。ただし、リスクは有益な場合もあり、大きな機会につながる場合もあります。たとえば、マーケティング キャンペーンが大成功し、企業の Web サイトに高い負荷がかかることなどです。

このようなときに、リスク管理では、範囲、アクティビティ、スケジュール、コスト、リソース、品質などの観点から、プロジェクトに影響を与える可能性のあるリスクを識別し計画を行います。次に、いくつかの例を示します。

  • 開発中の製品またはサービスで、完全にテストされていない新しい技術が使用されています。

  • 必要時に、下請け業者やその他のリソースを使用できない可能性があります。

  • 仕入先から出荷が遅れる可能性があります。

  • その製品またはサービスのバージョンを、未知の競合他社が最初に市場に投入してしまう可能性があります。

  • 雪によって遅延が発生する可能性のある冬に、建設がスケジュールされています。

  • プロジェクトの要件が漠然としているため、要件を変更しなければならなくなる可能性があります。

  • プロジェクトで使用しているソフトウェア ツールの習得が難しいです。

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プロジェクトのリスク管理のベスト プラクティス

このセクションでは、プロジェクトのリスク マネジメント計画を定義するための方法について説明します。

リスクの特定

次に、ご自身およびプロジェクト チームでリスクを特定する方法を示します。起こる可能性のある有益なリスクまたは機会も忘れずに考えてください。

  • リスクの識別に、プロジェクト チーム全体を招集します。全員に発言権があり、すべての声が把握できるように、進行者と記録者を選びます。

  • リスクに注目して、プロジェクト計画の主要な段階を確認します。

  • 過去の同様なプロジェクトから学んだ事柄を、そのプロジェクトでの失敗に目を向けて見直し、それが現在のプロジェクトにも起こる可能性があるか判断します。また、特にうまくいった事柄に目を向け、それらのいずれかがプロジェクトに有益なリスクをもたらす可能性があるかどうか確認します。

  • プロジェクトの強み、弱点、機会および脅威を調べる SWOT 分析を実行します。これは、有益なまたは負のリスクを識別するもう 1 つのよい方法です。

  • 技術、外部、組織およびプロジェクト管理の要素など、リスクのどのようなカテゴリがあるか考えます。技術的な側面には、プロジェクトの要件と、プロジェクトで使用されている技術の複雑さと信頼性が含まれる場合があります。外部的な要素には、下請け業者と仕入先、天気、お客様のニーズ、市場、および規制の変更が含まれる場合があります。組織的なリスクには、他のプロジェクトとの関連性、別のプロジェクトからの同じリソースに対する複数の要求、資金をめぐる競争、戦略的な優先度の変更が含まれる場合があります。プロジェクトの管理上のリスクには、作業やコスト見積もりの正確さ、状態の収集方法や追跡コストが含まれる場合があります。

  • プロジェクトの動力となるその他の事柄と共にプロジェクトの三角形 (範囲、時間、お金) を考えてみてください。何が範囲およびアクティビティに影響しますか?主要なマイルス トーンとプロジェクトの終了日にどのようなことが発生する可能性がありますか?プロジェクトの予算と支出は?リソースの利用可能性とパフォーマンスは?品質は?

リスクのスコア付け

リスクを把握したら、このリスクの可能性と影響のスコアを付けます。リスクごとに、このリスクが現実のものとなる可能性を表す数値または割合を入力します。

また、リスクごとに、このリスクが発生した場合の重要度や影響を表す数値を入力します。一貫してすべてのリスクに適用できるのであれば、どのようなようスケールを使用してもかまいません。

2 つの数値を乗算すると、リスクのスコアを算出できます。

リスクの優先順位付け

リスクを高低でスコア付けし、リスク マネジメント計画のどこに最も焦点を当てるべきかわかるようにします。Project Web App を使用して作成できるリスク一覧の例を次に示します。リスク スコアは、高い順から低い順になっています。詳細については、このトピックで後述する「Project Online でのリスクの記録と追跡」を参照してください。

リスクをリスク スコアの高い順から低い順で並べ替えます。

リスクの優先順位が付いたリストを見ると、次のように自然にグループ分けされているのがわかります。

  • スコアが高いリスクは、計画を立てて対応する必要があります。

  • スコアが中程度のリスクは、計画を立てて対応する必要があるか、ケースごとに判断する必要があります。

  • スコアが低いリスクは、計画を立てて対応する必要はありませんが、状況が変わり優先順位を上げる必要はあるか、プロジェクトの生涯を通じて再確認してゆく必要があります。

リスク マネジメント計画の作成

リスクを評価して優先順位を付けたら、プロジェクトのリスク マネジメント計画を開発する基準が出来上がります。チームで管理する必要のある各リスクに対して、次のいずれかの対応を決定します。

  • リスクを回避します。そのリスクをプロジェクトの一部として負う価値がない場合、それを排除します。たとえば、許容範囲を超える高いリスクがあるタスクまたはリソースは、別の適切なものに変えた方が賢明です。

  • 別の部署やベンダーなどの他者に、リスクの責任を移転します。他の例としては、保険や保証があります。リスクを移転する際のコストは、そのリスクの責任を負い続けていた場合に発生する可能性のあるコストよりも低くする必要があります。

  • リスクの発生の可能性を回避する、またはリスクの影響があったときにそれを緩和するか最小化するコンティンジェンシー計画を立てます。代替の計画と、コンティンジェンシー計画をいつアクティブにするかの開始点を同時に作成するので、リスク マネジメント計画のこの部分が、最も注力しなければならない部分である可能性があります。

  • リスクを受け入れます。優先度の高い一部のリスクは、それを回避、移動および緩和するよりも、"リスクを負った" 方がコスト効率が高くなります。

1 つのリスクに対する計画には、これらの 1 つ以上の対応をする必要がある場合があります。たとえば、リスクの発生を回避するための対応だけでなく、それが起こってしまった場合の計画を持つなどです。

どちらのアプローチをとるか決定する際に、金銭、時間、および労力という意味でのコストを考えます。プロジェクトを進めることと、重要なリスクの回避、阻止または計画のバランスを適切にとる必要があります。

リスク管理者の任命

そのプロジェクトの生涯を通して、リスクを予測するリスク管理担当者を、プロジェクト マネージャー以外から選びます。この人物は、不確定要素を健全な懐疑心で見ることができる人である必要があります。

リスク マネージャーは、コンティンジェンシー計画の開始時点に目を配り、優先度の低いリスクを監視し、リスク マネジメント計画が実行されていることも保証します。

リスクのレポートのチーム メンバーへの推奨

プロジェクトで予測されるリスクについてレポートする機会は、すべてのチーム メンバーに必要です。Project Web App には、チーム メンバーが割り当てられているタスクとプロジェクトのリスクを入力することができます。リスクをレポートする手段として、これを匿名にした方が結果がよい場合には、匿名にすることも可能です。

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Project Online でのリスクの記録と追跡

Project Online サブスクリプションで得ることができた Project Web App に、プロジェクトのリスク データベースを作成し、継続的にリスク マネジメント計画を監視して更新します。このリスク追跡システムでは、確率および重要度を設定したり、それをチーム メンバーに割り当てたり、期限を指定できます。チーム メンバーは、Project Web App にリスクを表示したり、それを編集したりすることもできます。

リスクを記録します。

  1. Project Online のホーム ページの [作業を記録する] で [プロジェクト] を選択します。

  2. [プロジェクト センター] ページの [プロジェクト名] 列から、リスクを追加または編集するプロジェクトの名前を選択します。

  3. 左側のウィンドウで、[リスク] をクリックします。

  4. [リスク] ページで、[ 新しいアイテム] をクリックします。

  5. 表示されるフォームに入力を完了します。必要なフィールドは、[タイトル]、[確率] および [影響] です。他には、[所有者]、[割り当て先ユーザー/グループ]、[コスト]、[説明]、[リスク軽減計画]、[コンティンジェンシー計画]、および [トリガー] のフィールドがあります。情報があるその他のすべてのフィールドに入力を完了します。情報はいつでも追加できます。

    表示されるフォームに入力を完了します。

  6. ページの下部の [保存] ボタンを選びます。

リスクの情報を変更します。

  1. Project Online のホーム ページの [作業を記録する] で [プロジェクト] を選択します。

  2. [プロジェクト センター] ページの [プロジェクト名] 列から、リスクを追加または編集するプロジェクトの名前を選択します。

  3. 左側のウィンドウで、[リスク] をクリックします。

  4. [リスク] ページで、変更するリスクの名前を選択します。

  5. 表示されるフォームの上部の [アイテムの編集] を選択します。

  6. 任意のフィールドを変更するか入力を完了します。

  7. リスクのレコードにファイルを添付するには、[編集] タブの [アクション] グループで、[ファイルの添付] を選択します。[ファイルの選択] を選択して、移動しファイルを選んで、[開く] をクリックします。[OK] をクリックします。

  8. ページの下部の [保存] ボタンを選びます。

プロジェクトのリスクの一覧を表示します。

  1. Project Online のホーム ページの [作業を記録する] で [プロジェクト] を選択します。

  2. [プロジェクト センター] ページの [プロジェクト名] 列から、リスクを追加または編集するプロジェクトの名前を選択します。

  3. 左側のウィンドウで、[リスク] をクリックします。

  4. [リスク] ページを開き、入力した現在のプロジェクトのリスクを確認します。

  5. たとえば、[割り当て先ユーザー/グループ]、[状態] フィールド、または [エクスポージャ] (確率影響要因を掛けたもの) のフィールドを昇順で並べ替えるには、列見出しをクリックします。降順で並べ替えるには、列見出しを再度クリックします。

    フィールドを使用して昇順または降順で並べ替えます。

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