現象
Excel ブックを印刷するときに、特定のブックや、選択するプリンターによって意図した通りのレイアウトで印刷されない場合があります。
現象の例として、以下のようなものがあります。
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同じ列幅を設定しているのに、ブックによって 1 ページに出力される列の数が異なる
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選択するプリンターによって 1 ページに出力される列の数が異なる
状況によっては、この現象の影響で、改ページ位置が変更され総ページ数が変わってしまう場合があります。
原因
この現象は、対象ブックの標準スタイルに設定されているフォント (以下、標準フォント) とプリンターがサポートするフォントの組み合わせによって発生します。
解決方法
以下の手順で、標準フォントを変更します。
[新しく作成するファイルの標準フォントを変更する場合]
Excel 2007
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Office ボタンをクリックします。
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[Excel のオプション] - [基本設定] をクリックします。
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"新しいブックの作成時" セクションの "使用するフォント" で使用するフォントを設定します。
Excel 2010
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Excel の [ファイル] - [オプション] - [基本設定] をクリックします。
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"新しいブックの作成時" セクションの "使用するフォント" で使用するフォントを設定します。
Excel 2013
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Excel の [ファイル] - [オプション] - [基本設定] をクリックします。
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"新しいブックの作成時" セクションの "次を既定フォントとして使用" で使用するフォントを設定します。
[既存ファイルの標準フォントを変更する場合]
Excel 2007 / 2010 / 2013
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変更対象のファイルを開きます。
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[ホーム] - [スタイル] - [セルのスタイル] をクリックします。
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[標準] スタイル上で右クリックし、[変更] をクリックします。
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スタイル> ウィンドウで [書式設定] をクリックします。
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[フォント] タブで使用するフォントを設定します。
Note:
本記事の対象となる Excel 製品では、ラスタフォントはサポートされません。
フォント名に直接ラスタフォント名を入力することで設定することは可能ですが、印刷では設定したフォントに最も近いフォントが使用されます。
状況
この動作は仕様です。
詳細
Excel ブックには、ブックごとに標準フォントが設定されています。標準フォントは、新規ファイルの作成時にオプション設定に従って設定され、またブックの作成後に、スタイルから変更することができます。
Excel は印刷を行うとき、標準フォントを使用して行の高さや列幅を計算します。ただし、プリンターで利用できないフォントが標準フォントに設定されている場合は、標準フォントの代わりに既定のフォントを使用して計算を行います。
このため、標準フォントおよびプリンターが標準フォントをサポートしているかどうかにより、印刷時の行の高さや列幅の計算に使用されるフォントが異なります。この結果、ブックによって、または同じブックであっても選択するプリンターによって、印刷レイアウトが異なることがあります。
Note:
本記事の対象となる Excel 製品は、ラスタフォントをサポートしていません。
標準フォントにラスタフォントが設定されている場合は、プリンターがラスタフォントをサポートしている場合でも、設定されたフォントに最も近いフォントを使用します。
ただしこの場合にも、Excel はプリンターのフォントのサポート状況に応じて標準フォントに最も近いフォントを使用するか、既定のフォントを使用するかを決定するため、プリンターにより印刷レイアウトが異なる場合があります。
関連情報
400271 異なる複数の Windows 環境で Excel ファイルを共有すると、印刷範囲、セルの幅、または高さが変更される場合がある