はじめに
Microsoft Excel にてセルの表示設定で [ユーザー定義] で使用する主な書式記号の意味や使用方法について説明します。
セルの表示形式について
Excel では同じデータを入力していても、セルの書式設定の表示形式を変更することによって、さまざまな形式で表示することができます。 基本的なセルの表示形式の詳細については、下記の Q&A をご覧ください。
882767 セルの表示形式を変更してみようセルの表示形式のユーザー定義とは
既定で用意されているセルの表示形式以外に、表示形式のさまざまな書式を応用して組み合わせることによって、ユーザー独自の表示形式 (ユーザー定義) を設定することができます。 ユーザー定義で作成された書式は、ブックのすべてのシートで使用することができます。ユーザー定義の初期の状態は、[標準]、[会計]、[日付]、[時刻]、[分数]、[指数] および [文字列] などの組み込みの表示形式がユーザー定義用の書式記号として表示されます。
ここでは、ユーザー定義の設定画面と使用できる書式記号について説明します。
詳細
ユーザー定義を設定する画面を表示する方法
-
セルの書式設定でユーザー定義するセルを選択します。
Excel を起動し、セルの書式設定でユーザー定義する任意のセルをクリックします。
ここでは例として、A1 セルを選択します。 -
[セルの書式設定] ダイアログ ボックスを表示します。
[書式] をクリックし、[セル] をクリックします。
-
ユーザー定義を設定します。
[表示形式] タブをクリックし、[分類] ボックスの一覧から [ユーザー定義] をクリックします。
-
任意にユーザー定義の書式を入力します。
[種類] ボックスにユーザー定義の書式記号を入力して任意の書式を入力します。
ユーザー定義に使用できる書式記号
さまざまな書式記号を組み合わせて応用することによって、データを任意の表示形式で表示することができます。作成された表示形式はそのファイルのすべてのシートで使用することができます。新しく作成した状態では、組み込みの表示形式だけが使用できます。
標準の書式記号
新規作成されるすべてのワークシートの表示形式は、[標準] が設定されています。 [標準] の表示形式の書式は、入力された数値をそのままの書式で表示します。 ただし、セル幅が数値全体を表示するのに十分でない場合は小数が四捨五入され、大きな数値は指数で表示されます。[標準] の表示形式では、数値は 11 桁まで表示されます。
[標準] に表示形式を設定する場合は、[種類] ボックスの一覧から [G/標準] をクリックします。
G/標準
数値の書式記号
数値の書式を表す書式記号は以下の記号を使用します。
書式記号 |
説明 |
# |
1桁の数字を示します。# の数だけ桁数が指定され、その有効桁数しか表示されません。また、余分な 0 も表示されません。 |
0 |
1桁の数字を示すが、指定したゼロの桁数だけ常にゼロが表示されます。 |
? |
固定幅フォントで数値の小数点を揃えるために、整数部と小数部の余分なゼロがスペースで表示されます。 |
-
整数の位に指定した書式記号の桁数よりも、入力した整数の位の桁数が多い場合は、すべての整数の位が表示されます。
-
小数の位に指定した書式記号の桁数よりも、入力した小数の位の桁数が多い場合は、書式記号で設定した桁数に合わせて小数の位の桁数が四捨五入されます。
桁区切り記号の書式記号
数値の桁を区切るには、カンマ (,) を使用します。
カンマ (,) は、1000 単位の区切り記号として表示します。また、数値を 1000 で割って小数部を四捨五入して表示することもできます。
日付の書式記号
日付を表示する書式記号は以下の記号を使用します。
年
書式記号 |
説明 |
yy |
西暦の下 2 桁を表示します。 |
yyyy |
西暦を 4 桁で表示します。 |
e |
年を年号を元に表示します。 |
ee |
年を年号を元に 2 桁の数値で表示します。 |
g |
元号をアルファベットの頭文字 (M、T、S、H) で表示します。 |
gg |
元号を漢字の頭文字 (明、大、昭、平) で表示します。 |
ggg |
元号を漢字 (明治、大正、昭和、平成) で表示します。 |
月
書式記号 |
説明 |
m |
月を表示します。 |
mm |
1 桁の月には 0 をつけて 2 桁で表示します。 |
mmm |
英語の月の頭文字 3 文字 (Jan~Dec) を表示します。 |
mmmm |
英語の月 (January~December) を表示します。 |
mmmmm |
英語の月の頭文字 (J~D) で表示します。 |
日
書式記号 |
説明 |
d |
日にちを表示します。 |
dd |
1 桁の日にちには 0 をつけて 2 桁で表示します。 |
曜日
書式記号 |
説明 |
ddd |
英語の曜日の頭文字から 3 文字 (Sun~Sat) を表示します。 |
dddd |
英語の曜日 (Sunday~Saturday) を表示します。 |
aaa |
漢字で曜日の頭文字 (日~土) を表示します。 |
aaaa |
漢字で曜日 (日曜日~土曜日) を表示します。 |
さまざまな日付の書式記号の使用例
時間および時刻の書式記号
時間の書式は、24時間表示を基準にしています。 日付を表示する書式記号は以下の記号を使用します。
時間/分/秒
書式記号 |
説明 |
h |
時刻 (0~23) を表示します。 |
hh |
1 桁の時刻には 0 を付けて時刻 (00~23) を表示します。 |
m |
分 (0~59) を表示します。 |
mm |
1 桁の分は、0 を付けて分 (00~59) を表示します。 |
s |
秒 (0~59) を表示します。 |
ss |
1 桁の秒は 0 を付けて秒 (00~59) を表示します。 |
注 : 分を表す m と mm は、h 、hh の直後、または s 、ss の直前に入力されていないと、分を表す書式記号として認識されません。分を表す m と mm を、これ以外の位置または単独で入力すると、分ではなく月の形式で表示されます。
AM/PM (午前/午後)
AM/PM 、am/pm 、A/P 、a/p を時刻の書式記号に含めると、時刻は 12 時間表示で表示されます。また、大文字、小文字も入力したとおりに表示されます。
書式記号 |
説明 |
h AM/PM |
12 時間表示で時刻の後に AM または PM を表示します。 |
h:mm AM/PM |
12 時間表示で時間と分の後に AM または PM を表示します。 |
h:mm:ss A/P |
12 時間表示で時間と分と秒の後に A または P を表示します。 |
時間の経過
書式記号 |
説明 |
[h]:mm |
24 時間を超える時間の合計を表示します。 |
[mm]:ss |
60 分を超える分の合計を表示します。 |
[ss] |
60 秒を超える秒の合計を表示します。 |
さまざまな時刻や時間の書式記号の使用例
色の書式記号
色の名前 (8 色) を指定して、文字色を指定することができます。 色の指定を行うには、以下の 8 色を角かっこ ([]) で囲んで、書式部分の先頭に入力します。
書式記号 |
説明 |
[黒] |
文字色を黒色で表示します。 |
[青] |
文字色を青色で表示します。 |
[水] |
文字色を水色で表示します。 |
[緑] |
文字色を緑色で表示します。 |
[紫] |
文字色を紫色で表示します。 |
[赤] |
文字色を赤色で表示します。 |
[白] |
文字色を白色で表示します。 |
[黄] |
文字色を黄色で表示します。 |
表示形式の書式
ユーザー定義の表示形式は、一つの表示形式で 4 つの書式を作成することができます。それぞれの書式は、「;」セミコロンで区切ります。左から 3 つまでの数値の書式と、文字列用に 4 つ目の書式を持つことができます。また、以下のように対応します。文字列の書式に関する詳細は、"文字列やスペースの書式記号" をご覧ください。
正の数の書式;負の数の書式;ゼロの書式;文字列の書式
条件付きの書式
以下の角括弧で、等号や不等号などの比較演算子を使用して条件を設定することができます。
[ ]
また、等号や不等号などの比較演算子で使用できる記号は以下のとおりです。
< ,> , =, >=,<= , <>
ここでは例として、10 より小さい数値を入力すると文字色が緑色になり、10 より大きい数値を入力すると文字色が青くなり、マイナスの数値を入力すると文字色が赤色に表示されるように表示形式を設定します。
注 : 10 より小さい数字を入力して文字色が緑色に表示される表示形式の書式の場合、条件にあった数値を入力すると結果は正しく表示されますが、その条件以外の数値を入力した場合は、セル C2 、C5 のように表示されません。その場合は、条件に当てはまらないときの書式も入力してください。
文字列やスペースの書式記号
文字列の書式部分は、常に表示形式の末尾に指定します。文字列の書式部分に @ 記号がない場合、入力した文字列は表示されません。
文字列を入力し、特定の文字列も同時に表示させる場合、表示する特定の文字列をダブル クォーテーション (") で囲み、入力する文字列を表示する部分に @ 記号を入力します。
"特定の文字列"@
数値を入力し、特定の文字列も同時に表示させる場合、数値の書式の後に特定の文字列を二重引用符 ("") で囲みます。
"文字列"
特定の文字の文字幅分のスペースを空けるなど表示形式内でスペースを入力する場合は、Space キーによってスペース (空白) を入力する方法と、下線 (_) を入力する方法とがあります。また、 特定の文字の文字幅分のスペースを空けるには、表示形式で下線 (_) に続けてその特定の文字を入力します。
_ , _特定文字列
負の数値を入力すると括弧がついてしまう書式を設定している場合、括弧の幅の分だけ文字間隔が空くためこの書式を設定して、正の数を負の数と揃えて表示します。
表示形式で指定した文字をセル幅に達するまで繰り返し表示する場合、アスタリスク (*) の後ろに記号などの文字列を入力すると、表示されているセル幅に達するまでその記号を繰り返し表示します。
*記号などの文字列
関連情報
関連情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。
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