現象
Microsoft Office Excel 2007 および Microsoft Excel 2010 で PrintPreview メソッドを実行した場合、印刷プレビュー画面のリボン上のコマンド がグレーアウトする場合があります。この現象は、以下の条件をすべて満たす場合に発生します。
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ワークブックを開いた際に実行されるイベントや自動実行マクロ (Workbook_Open イベントまたは Auto_Open イベント) などから PrintPreview を実行した。
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セキュリティ情報バーによるマクロの警告が表示された後にマクロを有効にして実行した。
回避策
この問題を回避するには、以下のいずれかの方法を実行します。
方法1 : 現象が発生するイベントから PrintPreview メソッドを実行しないように変更する
たとえば PrintPreview メソッドを実行する別のマクロを作成し、イベントから OnTimer メソッドを使用して、別に作成したマクロを実行するようにします。 これによって、PrintPreview メソッドはイベント完了後に実行されるため問題を回避することができます。
方法2 : セキュリティ情報バーによるマクロの警告が表示されないように構成する
たとえば、信頼済みの発行元として認識されるデジタル署名をマクロに設定したり、マクロを含んだファイルを信頼済みの場所に配置することで、回避することができます。 また、ファイルを開く前に Visual Basic Editor を起動することによって、ダイアログによるマクロの警告表示が行われるため、この場合も問題を回避することができます。 マクロへのデジタル署名の登録や、信頼できる発行元、信頼できる場所については次のマイクロソフト Web サイトを参照してください。
ファイルに対して信頼できる場所を作成、削除、変更する
http://office.microsoft.com/ja-jp/access/HA100319991041.aspx
信頼できる発行元を追加、削除、表示する
http://office.microsoft.com/ja-jp/access/HA100341381041.aspx
メッセージ バーのセキュリティの警告を有効または無効にする
http://office.microsoft.com/ja-jp/access/HA100806061041.aspx?pid=CH100621891041
Office ドキュメントのマクロを有効または無効にする
http://office.microsoft.com/ja-jp/access/HA100310711041.aspx?pid=CH100621891041
マクロ プロジェクトにデジタル署名を追加する
http://office.microsoft.com/ja-jp/help/HA012317811041.aspx?pid=CL100605171041
状況
マイクロソフトでは、この問題をこの資料の対象製品として記載されているマイクロソフト製品の問題として認識しています。
詳細
問題の再現手順
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Excel 2007 を起動します。
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新規ワークブックを作成し、Sheet1 のセルに任意の文字を入力します。
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Alt + F11 を押し、VBE を起動します。
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ThisWorkbook_Open イベントに、ThisWorkbook.PrintPreview メソッドを記述します。
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ファイルをマクロ付きで保存し、Excel を終了します。
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保存したファイルを開きます。
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セキュリティ情報バーの警告からマクロの警告を確認し、マクロを有効にします。
結果
ThisWorkbook_Open イベントから印刷プレビューが実行されます。表示された印刷プレビュー画面のリボン上のボタンがグレーアウトして機能しません。