現象
Microsoft Excel 2010 および Microsoft Office Excel 2007 にて、共有フォルダ上の Excel ファイルを複数ユーザーから開いて編集を試みた場合、[使用中のファイル] ダイアログが表示されます。後から編集を試みたユーザーは、編集可能となった場合に通知を受け取り、その後編集を行う、という機能があります。
編集対象の Excel ファイルが [読み取り専用を推奨する] オプションのチェックが入ったファイルの場合、通知を受け取り編集モードで開きなおすことで、意図せず [読み取り専用を推奨する] オプションのチェックが外れる、という現象が発生します。
原因
編集可能となった場合に受け取る通知のダイアログは、下記のように表示されます。
上記ダイアログ上で [編集] をクリックしてファイルを編集可能な状態として開く際、[読み取り専用を推奨する] オプションのチェックが外れた状態でファイルが開かれるために、この現象が発生します。
回避策
[ファイル使用可能] の通知のダイアログが表示された際、[編集] ボタンではなく、[キャンセル] ボタンを押します。
その後 Excel ファイルを一度閉じ、再度編集可能な状態で開きなおした場合は、[読み取り専用を推奨する] オプションの値は変化いたしません。
状況
マイクロソフトでは、この問題をこの資料の対象製品として記載されているマイクロソフト製品の問題として認識しています。
詳細
問題の再現手順
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Excel 2010 または Excel 2007 にて、新規 Excel ファイルを作成し、共有フォルダ上に保存します。この際、[名前を付けて保存] ダイアログの [ツール]-[全般オプション] にて、[読み取り専用を推奨する] のオプションにチェックを入れて保存します。
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一人目のユーザーにて、Excel 2010 または Excel 2007 を使用して共有フォルダ上に作成したファイルを開きます。この際、下記のようなダイアログが表示されますので、[いいえ] を選択して編集可能な状態でファイルを開きます。
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[名前を付けて保存] ダイアログを開き、[ツール]-[全般オプション] を確認すると、下記のように [読み取り専用を推奨する] の値に変化が無いことが確認できます。
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二人目のユーザーにて、Excel 2010 または Excel 2007 を使用して共有フォルダ上に作成したファイルを開きます。この際、下記のようなダイアログが表示されますので、[通知] を選択し、編集可能になった場合に通知を受け取る設定にてファイルを開きます。
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一人目のユーザーの環境にて、開いた Excel ファイルを閉じます。
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二人目のユーザーの環境にて、下記のようなダイアログが表示されますので、[編集] を選択して編集可能な状態でファイルを開き直します。
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[読み取り専用を推奨する] の設定値の状態を確認するために、Excel 2010 の [ファイル] メニュー、あるいは Excel 2007 の Office ボタンから、[名前を付けて保存] メニューを選択し、[名前を付けて保存] ダイアログを開きます。
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[ツール]-[全体オプション] を選択して開きます。
結果
[読み取り専用を推奨する] のオプションからチェックが外れていることが確認できます。