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この資料の内容

概要

この資料では、Windows 2000 ベースのコンピュータに SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) 仮想サーバーをセットアップする方法について、手順を追って説明します。

Microsoft SMTP サービスは、メール メッセージの伝送と配信にインターネット標準の SMTP を使用しています。Microsoft SMTP サービスは、個人用のメールボックスの利用はサポートしていません。受信メッセージはドロップ フォルダに配置されるか、そのメッセージの宛先がリモート ドメインの場合は、他の SMTP サーバーに転送されます。この機能により、他のプログラムは Microsoft SMTP サービスをメール受信ソフトウェアとして使用することができます。

Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) および Microsoft SMTP サービスのインストール方法


Microsoft SMTP サービスは、Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) のコンポーネントの 1 つです。したがって、Microsoft SMTP サービスを使用するには、IIS をインストールする必要があります。IIS と SMTP サービスをインストールするには、次の手順に従います。

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[設定] をポイントして、[コントロール パネル] をクリックします。

  2. [アプリケーションの追加と削除] をダブルクリックします。

  3. [Windows コンポーネントの追加と削除] をクリックします。

  4. Windows コンポーネント ウィザードで [インターネット インフォメーション サービス (IIS)] をクリックし、[詳細] をクリックします。

  5. 以下のチェック ボックスをオンにします。

    • [共通コンポーネント]

    • [オンライン ヘルプ]

    • [インターネット インフォメーション サービス スナップイン]

    • [インターネット サービス マネージャ (HTML)]

    • [SMTP Service]

    • [WWW (World Wide Web) サーバー]


  6. [OK] をクリックし、[Windows コンポーネント] ページの [次へ] をクリックします。

  7. [Windows コンポーネント ウィザードの完了] ページの [完了] をクリックします。

  8. [閉じる] をクリックします。

SMTP 仮想サーバーの構成方法


Microsoft SMTP サービスをインストールすると、基本的なメール配信機能を処理するため、既定の SMTP 仮想サーバーが作成されます。SMTP 仮想サーバーは、自動的にデフォルトの設定で構成されます。この設定では、ローカル クライアント コンピュータ接続を受け付けてメッセージを処理することが可能です。デフォルトの設定をそのまま使用することも、SMTP 仮想サーバーの構成を変更することもできます。SMTP 仮想サーバーは、使用中の環境のメッセージ処理要件に合わせて構成できます。この資料では、基本的な構成と、考慮した方がよいセキュリティ設定について説明します。

ここでは、次のトピックについて説明します。

  • インターネット プロトコル (IP) アドレスを割り当てる方法

  • デフォルトのドメインを構成する方法

  • トランザクション ログを有効にする方法

  • 中継の制限を設定する方法

  • スマート ホストをセットアップする方法

IP アドレスを割り当てる方法


SMTP 仮想サーバーに IP アドレスを割り当てるには、次の手順に従います。

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントし、[管理ツール] をポイントして、[インターネット サービス マネージャ] をクリックします。

    または、IIS スナップインを起動します。

  2. [既定の SMTP 仮想サーバー] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  3. [全般] タブをクリックします。

    • コンピュータに構成されている任意の IP アドレスへの接続要求に対し、この SMTP 仮想サーバーが応答を返すようにするには、[(未使用の IP アドレスすべて)] をクリックします。これがデフォルトの設定です。

    • 特定の IP アドレスを SMTP 仮想サーバーに割り当てるには、[IP アドレス] ボックスの一覧で、使用する IP アドレスをクリックします。

    • 他の IP アドレスを仮想サーバーに割り当てるには、次の手順に従います。

      1. [詳細設定] をクリックし、[追加] をクリックします。

      2. IP アドレスおよび伝送制御プロトコル (TCP) ポート番号を指定します。

        注 : デフォルトの TCP ポートは 25 です。

      3. [OK] をクリックし、もう一度 [OK] をクリックします。

  4. [OK] をクリックします。

デフォルトのドメインを構成する方法


SMTP 仮想サーバーには、デフォルトのローカル ドメインを 1 つ設定する必要があります。メッセージの送信元アドレスにドメインが含まれていない場合は、このデフォルトのドメインが付加されます。デフォルトでは、コントロール パネルの [システム] ツールの [ネットワーク ID] タブで指定した名前が、デフォルトのドメイン名として使用されます。


デフォルトのドメイン宛ての受信メール メッセージは、すべてドロップ フォルダに配置されます。ドロップ フォルダの場所は、デフォルトで Inetpub\Mailroot フォルダになります。

ドロップ フォルダの場所を変更するには、次の手順に従います。

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントし、[管理ツール] をポイントして、[インターネット サービス マネージャ] をクリックします。

    または、IIS スナップインを起動します。

  2. [既定の SMTP 仮想サーバー] をダブルクリックし、[ドメイン] をクリックします。

  3. デフォルトのドメインを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  4. [参照] をクリックし、ドロップ フォルダとして使用するフォルダを選択して、[OK] をクリックします。


    注 : ドロップ フォルダは、Microsoft SMTP サービスがインストールされているローカル コンピュータ上のフォルダに配置する必要があります。

  5. [OK] をクリックします。

トランザクション ログを有効にする方法


ログ ファイルには、コンピュータ上で送受信されたすべてのメッセージの記録が保持されます。ログを有効にするには、次の手順に従います。

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントし、[管理ツール] をポイントして、[インターネット サービス マネージャ] をクリックします。

    または、IIS スナップインを起動します。

  2. [既定の SMTP 仮想サーバー] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  3. [全般] タブをクリックします。

  4. [ログ収集を有効にする] チェック ボックスをオンにします。

  5. [アクティブ ログ形式] ボックスの一覧で、情報の記録に使用するログ形式をクリックします。デフォルトのログ形式は、W3C 拡張ログ ファイル形式です。

  6. [プロパティ] をクリックします。

  7. 使用する設定を指定します。ここでは、ログ期間、ログ ファイルの場所、ログ ファイル名などの設定を指定できます。

  8. [OK] をクリックし、もう一度 [OK] をクリックします。

中継の制限を設定する方法


デフォルトでは、すべてのコンピュータで中継アクセスが拒否されます。Microsoft SMTP サービスは、コンピュータが仮想サーバーを通して不要なメールを中継することを許可しません。デフォルトでは、[アクセス] タブの [認証] ダイアログ ボックスで指定した認証要件を満たすコンピュータを除き、すべてのコンピュータで中継アクセスが拒否されます。仮想サーバーがインターネット上に存在する場合、中継アクセスを許可することは推奨されません。中継を許可すると、迷惑メールが伝播されてしまう可能性があります。

SMTP 仮想サーバーを通したメッセージの中継を許可または禁止するには、次の手順に従います。

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントし、[管理ツール] をポイントして、[インターネット サービス マネージャ] をクリックします。

    または、IIS スナップインを起動します。

  2. [既定の SMTP 仮想サーバー] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  3. [アクセス] タブをクリックします。

  4. [中継の制限] の [中継] をクリックします。

  5. 次の手順のどちらかを実行します。

    • [以下のリストに含まれるコンピュータのみ] をクリックします。

      または

    • [以下のリストに含まれるコンピュータ以外のすべて] をクリックします。

  6. [追加] をクリックします。

  7. 使用する設定をクリックし、手順 6. で選択したアクセス設定の例外として指定するコンピュータ、コンピュータのグループ、またはドメインを追加します。[OK] を 3 回クリックします。

スマート ホストをセットアップする方法


すべての送信メッセージの処理のために別の SMTP サーバーを指定したい場合は、その仕事を実行するスマート ホストをセットアップできます。スマート ホストをセットアップすると、リモート ドメイン宛てのすべての送信メッセージが、スマート ホストを通してルーティングされるようになります。

スマート ホストを構成するには、次の手順に従います。

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントし、[管理ツール] をポイントして、[インターネット サービス マネージャ] をクリックします。

    または、IIS スナップインを起動します。

  2. [既定の SMTP 仮想サーバー] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  3. [配信] タブをクリックし、[詳細設定] をクリックします。

  4. [スマート ホスト] ボックスに、スマート ホスト サーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) または IP アドレスを入力します。

    IP アドレスを入力する場合は、[192.168.188.228]のように、アドレスを角かっこで囲みます。IP アドレスを入力すると、Microsoft SMTP サービスで名前解決が行われなくなるため、パフォーマンスを向上させることができます。

  5. リモート メッセージをスマート ホストに転送する前に、Microsoft SMTP サービスでメッセージの直接配信を試みるようにするには、[スマート ホストへ送信する前に直接配信を試行する] チェック ボックスをオンにします。デフォルトでは、このチェック ボックスはオフになっています。

  6. [OK] をクリックし、もう一度 [OK] をクリックします。

トラブルシューティング


問題 : メッセージがドロップ フォルダに送信されない。

この問題は、次のどちらかが原因で発生することがあります。

  • ドロップ フォルダのパスが正しくない。

    この問題を解決するには、次の手順に従います。

    1. [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントし、[管理ツール] をポイントして、[インターネット サービス マネージャ] をクリックします。

      または、IIS スナップインを起動します。

    2. [既定の SMTP 仮想サーバー] をダブルクリックし、[ドメイン] をクリックします。

    3. デフォルトのドメインを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

    4. [ドロップ ディレクトリ] ボックスのドロップ フォルダのパスが正しいかどうかを確認します。

  • ドロップ フォルダまたはドロップ フォルダのあるハード ディスクの空き容量が不足している。

    この問題を解決するには、ドロップ フォルダまたはドロップ フォルダのあるハード ディスクの空き容量を増やします。
    Microsoft SMTP Service をトラブルシューティングする方法に関する情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

    297954 HOW TO: Troubleshoot the Web Server in Windows 2000

    297954[HOW TO] Windows 2000 Web サーバーのトラブルシューティングを行う方法
    Microsoft SMTP サービスのテスト方法に関する情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

    286421 HOWTO: Test Windows 2000 IIS SMTP Services Manually

関連情報

Microsoft SMTP サービスの詳細については、Microsoft Mail (SMTP) Service のドキュメントを参照してください。そのためには、Microsoft Internet Explorer を起動して、[アドレス] バーに次のアドレスを入力します。

file://%systemroot%/help/mail.chm

追加の SMTP 仮想サーバーを作成する方法の関連情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

303707 HOW TO: Create Additional SMTP Virtual Servers

303707[HOW TO] 2 つ目以降の SMTP 仮想サーバーを作成する方法
Microsoft SMTP サービスのドメインを作成または削除する方法に関する情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

303708 HOW TO: Create or Delete a Microsoft SMTP Service Domain

303708[HOW TO] Microsoft SMTP サービスのドメインを作成または削除する方法
Microsoft SMTP サービスのローカル ドメインを構成する方法に関する情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

303537 HOW TO: Configure Microsoft SMTP Service Local Domains

303537[HOW TO] Microsoft SMTP サービスのローカル ドメインの構成方法
Microsoft SMTP Service を開始、停止、または一時停止する方法に関する情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

303783 HOW TO: Start or Stop or Pause the Microsoft SMTP Service

303783[HOW TO] Microsoft SMTP Service を開始、停止、または一時停止する方法
SMTP 仮想サーバー を開始、停止、または一時停止する方法に関する情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

303812[HOW TO] SMTP 仮想サーバーを起動、停止、および一時停止する方法
IIS 用の SMTP プロトコル ログ収集を有効にする方法の関連情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

303738 HOW TO: Enable SMTP Protocol Logging for Internet Information Services

303738[HOW TO] インターネット インフォメーション サービス用の SMTP プロトコルのログ収集を有効にする方法
Windows 2000 サーバー クラスタで Microsoft SMTP サービスを設定する方法の関連情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。

280400 How to Configure the SMTP Resource on a Windows 2000-Based Server Cluster

280400Windows 2000 サーバー クラスタでの SMTP リソースの構成方法

関連情報

この資料は米国 Microsoft Corporation から提供されている Knowledge Base の Article ID
308161 (最終更新日 2002-10-11) をもとに作成したものです。

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