SharePoint では、アーカイブ内のレコードを管理することも、アクティブなドキュメントと同じドキュメント リポジトリにあるレコードを管理することもできます。
概要
レコード管理ソリューションを計画する前に、その計画について管理者と話し合ってください。レコード管理ソリューションの計画と実装の詳細については、「関連項目」のリンク先を参照してください。
レコード センター サイト アーカイブとして機能します。ドキュメントはレコードになるとアーカイブにコピーされます。ドキュメントがレコードになったかどうかは、レコード アーカイブにあるか他の場所にあるかで判断します。
インプレース レコード管理 レコードを別の場所にコピーまたは移動してから、セキュリティ ポリシーやアイテム保持ポリシーを適用するという従来のプロセスに代わる管理方法です。インプレース レコード管理では、ドキュメントをサイトの現在の場所に置いたまま、ドキュメントをレコードとして宣言し、適切なセキュリティ、保持、廃棄の各プロパティをそのレコードに適用できます。
2 つの管理方法を組み合わせて使うこともできます。たとえば、アクティブなドキュメントと共にインプレースでレコードを 2 年間管理した後、プロジェクトが終了した時点でレコード アーカイブにレコードを移動できます。
レコード センター
組織全体のコンテンツをレコード センターに送信し、有効期限や監査などの適切なアクセス許可とポリシーが適用される該当場所にルーティングすることができます。
メタデータ (データに関する情報) は、情報を管理して後で取得するうえで重要な役割を果たします。メタデータの使用のサポートには、コンテンツ タイプ、コンテンツ オーガナイザー、仮想フォルダーなどの機能が役立ちます。
レコード センターには次の機能があります。
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ドキュメント ID すべてのドキュメントに一意の識別子を割り当てることができます。この識別子は、アーカイブ後もそのままドキュメントで保持されます。そのため、ドキュメントの移動先に関係なく、レコードを ID で簡単に参照することができます。
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複数段階保持 アイテム保持ポリシーに複数の段階を設定できるので、ドキュメントのライフサイクル全体を 1 つのポリシーとして指定できます (契約書を毎年確認して 7 年後に削除するなど)。
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アイテム単位の監査レポート 個々のレコードに関するカスタマイズした監査レポートを生成できます。
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階層形式のファイル計画 深いフォルダー階層構造を作成し、階層内の各フォルダーでアイテム保持を管理することができます (または、親フォルダーから継承することができます)。
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ファイル計画レポート ファイル計画の各段階のアイテム数と、計画の各ノードのアイテム保持ポリシーのロールアップを示すステータス レポートを生成できます。分類とコンテンツ タイプの一元管理: アーカイブは組織全体の分類とコンテンツ タイプを使うので、共同作業領域とアーカイブの間で一貫性が確保され、コンテキスト転送が実現します。今後の投稿で、2010 の分類への投資について詳しく説明します。
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分類とコンテンツ タイプの一元管理 アーカイブは組織全体の分類とコンテンツ タイプを使うので、共同作業領域とアーカイブの間で一貫性が確保され、コンテキスト転送が実現します。今後の投稿で、2010 の分類への投資について詳しく説明します。
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コンテンツ オーガナイザー このレコード ルーターは、メタデータを使って、受信ドキュメントを階層形式のファイル計画の適切な場所にルーティングできます。たとえば、"購入契約に Project Alpha タグが付いている場合は、Alpha Contracts サブフォルダーに送信し、そのフォルダーのアイテム保持ポリシーをアイテムに適用する" のようなルールを送信されたコンテンツに自動的に適用できます。
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仮想フォルダー : ファイル計画はリポジトリの管理に適した方法ですが、探しているコンテンツを見つけるために時間はかけたくないものです。SharePoint 2010 レコード センターでは、メタデータ ベースのナビゲーションという新機能が導入されており、キー メタデータを仮想フォルダーとして公開できます。
インプレース レコード管理
インプレース レコード管理を有効にできるサイトは、レコード管理システムとして構成できます。レコード センターと異なり、この種類のシステムでは、共同作業領域でアクティブなドキュメントと共にレコードを格納できます。
インプレース管理では、共同作業領域のコンテンツを制御できます。これにより、特定の SharePoint ドキュメント (またはブログ、Wiki、Web ページ、リスト アイテム) をレコードとして宣言できます。このようなレコードは、組織におけるレコードの種類の定義によって、必要に応じて削除または編集できないようすることができます。
SharePoint がエンド ユーザーにもたらす価値と情報ガバナンスのバランスを取るために、共同作業領域では監査、アイテム保持、有効期限、レポート、レコード ワークフロー、電子情報開示、法的情報保留の各機能をすべて使用できます。
レコードは、ワークフローのプロセスの一部として、またはドキュメント保持のスケジュールの一部 (2 年後など) として手動で宣言できます。重要なのは、レコードとして宣言されるときに、コンテンツがアーカイブに移動しないことです。コンテンツはそのままの場所に残るので、エンド ユーザーは引き続きコンテンツを見つけて操作することができます。
インプレース レコード管理システムを使うと、次のような利点があります。
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複数のサイトにわたってレコードを配置し、管理できます。
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バージョン管理を有効にすると、レコードのバージョン管理が自動化されます。
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レコードとアクティブなドキュメントの両方に対して、検索を同時に実行できます。
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組織内でのレコードの種類やレコードを作成できるユーザーを幅広く制御できます。
ソリューションを計画する際の考慮事項
レコードを別のレコード センターで管理した方がよいか、それとも、ドキュメントを作成したコラボレーション サイト内で保管した方がよいか判断できない場合は、次の項目について検討してください。
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コラボレーション サイトのガバナンスはレコード管理に適切ですか。
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業界の規制要件により、レコードとアクティブなドキュメントを別々に保管する必要がありますか。
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コラボレーション サイトの管理者を信頼し、レコードを含むサイト管理を任せられますか。
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コラボレーション サイトよりも、アクセス制限の厳しいサイトにレコードを保管した方がよいですか。または、別のスケジュールでバックアップを実行するサイトにレコードを保管する必要がありますか。
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コラボレーション サイトの予定使用期間はどのくらいですか。プロジェクトが終了した後もレコードを保持する必要がある場合に、インプレース レコード管理の戦略を選ぶと、コラボレーション サイトが使われなくなってからもサイトの管理作業が発生することになります。
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ドキュメントがレコードになった後も、プロジェクト メンバーはドキュメントに頻繁にアクセスする必要がありますか。インプレース レコード管理方法を使えば、プロジェクト メンバーは、ドキュメントがアクティブであるかレコードであるかにかかわらず、同じ方法でそのドキュメントにアクセスできます。
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組織のレコード管理者が管理するのはレコードのみですか。それとも、アクティブなドキュメントであるかレコードであるかにかかわらず、すべての情報を管理する必要がありますか。レコード管理者が正式なレコードのみを管理する場合には、別のレコード センターを使った方が管理しやすいこともあります。