ここでは、Microsoft Excel の TTEST 関数の書式および使用法について説明します。
スチューデントの t 検定における確率を返します。 TTEST 関数を利用して、2 つの標本が平均値の等しい 2 つの母集団から抽出されたと見なせるかどうかを調べます。
重要: この関数は、より精度が高く、その使い方をより適切に表す名前を持つ、新しい 1 つ以上の関数で置き換えられました。 この関数は下位互換性のために引き続き利用可能ですが、Excel の将来のバージョンでは利用できなくなる可能性があるため、今後は新しい関数を使用することを検討してください。
新しい関数の詳細については、「T.TEST 関数」を参照してください。
書式
TTEST(配列 1,配列 2,尾部,検定の種類)
TTEST 関数の書式には、次の引数があります。
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配列 1 必ず指定します。 対象となる一方のデータ。
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配列 2 必ず指定します。 対象となるもう一方のデータ。
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尾部 必ず指定します。 片側分布を計算するか、両側分布を計算するかを、数値で指定します。 尾部に 1 を指定すると、片側分布の値が使用されます。 尾部に 2 を指定すると、両側分布の値が使用されます。
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型 必ず指定します。 実行する t 検定の種類を数値で指定します。
検定の種類 |
働き |
1 |
対をなすデータの t 検定 |
2 |
等分散の 2 標本を対象とする t 検定 |
3 |
非等分散の 2 標本を対象とする t 検定 |
解説
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配列 1 と配列 2 のデータの個数が異なるとき、検定の種類に 1 を指定すると、エラー値 #N/A が返されます。
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尾部と検定の種類に小数点以下の値を指定しても切り捨てられます。
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尾部または検定の種類に数値以外の値を指定すると、エラー値 #VALUE! が返されます。
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尾部に 1 または 2 以外の値を指定すると、エラー値 #NUM! が返されます。
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TTEST では、配列 1 と配列 2 のデータを使用して、負ではない t 統計量が計算されます。 尾部に 1 の値を指定すると、配列 1 と配列 2 が平均値の等しい母集団から抽出された標本であるという仮定の下で t 統計量の大きい方の値の確率が返されます。 尾部に 2 の値を指定したときに TTEST によって返される値は、尾部に 1 の値を指定したときに返される値の 2 倍で、“平均値の等しい母集団” の仮定の下では t 統計量の大きい方の絶対値の確率に相当します。
使用例
次の表のサンプル データをコピーし、新しい Excel ワークシートのセル A1 に貼り付けます。 数式を選択して、F2 キーを押し、さらに Enter キーを押すと、結果が表示されます。 必要に応じて、列幅を調整してすべてのデータを表示してください。
データ 1 |
データ 2 |
|
3 |
6 |
|
4 |
19 |
|
5 |
3 |
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8 |
2 |
|
9 |
14 |
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1 |
4 |
|
2 |
5 |
|
4 |
17 |
|
5 |
1 |
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数式 |
説明 (計算結果) |
結果 |
=TTEST(A2:A10,B2:B10,2,1) |
スチューデントの t 検定の対をなすデータの両側分布に従う確率を求めます。 A2 ~ A10 および B2 ~ B10 の値を使用します。 |
0.19602 |