Applies To.NET Framework 3.5 Service Pack 1

はじめに

.NET Framework 2.0 Service Pack 2、.NET Framework 3.0 Service Pack 2、および .NET Framework 3.5 Service Pack 1 用のすべての GDR (一般配布リリース) クラスの更新プログラムでは、デュアル ブランチ サービス モデルをサポートしています。.NET Framework 2.0 Service Pack 2、.NET Framework 3.0 Service Pack 2、または .NET Framework 3.5 Service Pack 1 のデュアル ブランチ サービスをサポートする修正プログラムをインストールした場合を例にとって説明します。また、コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] の [現在インストールされているプログラム] ボックスの一覧に表示される更新プログラムに加えて、追加の更新プログラム (960043) も表示されます。この追加の更新プログラムはベースライナーと呼ばれ、デュアル ブランチ サービスをサポートするすべての修正プログラムの標準です。この資料では、.NET Framework 2.0 Service Pack 2、.NET Framework 3.0 Service Pack 2、および .NET Framework 3.5 Service Pack 1 のデュアル ブランチ サービスについて説明します。

詳細

デュアル ブランチ サービスとは

.NET Framework 用および Microsoft Visual Studio 用の更新プログラムは従来、累積的でした。たとえば、バイナリは常に、その同じバイナリ内に以前のすべてのサービス変更が含まれています。この方法には問題があります。なぜなら限定的な配布を意図し、特定のお客様の要求に対応するために開発された修正プログラムを、意図せずセキュリティ更新プログラムや累積的な更新プログラムと共に広範に配布することになるからです。修正プログラムと、セキュリティ更新プログラムなどの GDR クラスのリリースに個別のブランチを持たせることによって、GDR クラスのリリースに修正プログラムの機能上の修正プログラムが含まれる可能性がなくなります。LDR (修正プログラムなどの限定配布リリース) と GDR (更新プログラム、累積的な更新プログラム、セキュリティ更新プログラムなどの一般配布リリース) の個別のブランチを維持することを、デュアル ブランチ サービスと呼びます。

デュアル ブランチ サービスの意味

デュアル ブランチ サービスを使用すると、GDR クラスの更新プログラムのリリース (更新プログラム、累積的な更新プログラム、およびセキュリティ更新プログラム) には 2 つのバージョンのペイロードが含まれます。つまり、セキュリティ修正プログラムのみが含まれて累積的な修正プログラムは含まれない "クリーン" ペイロードと、セキュリティ修正プログラムと共に累積的な修正プログラムが含まれる第 2 のペイロードです。第 1 の "クリーン" ペイロードは、適用するべき修正プログラムのない (ほとんどの) お客様向けにインストールされ、第 2 の累積的なペイロードは、1 つまたは複数の修正プログラムを適用するべきお客様向けにインストールされます。

デュアル ブランチ サービスの動作

お客様が修正プログラムをインストールすると、ベースライナー更新プログラム 960043 と共に更新プログラムがインストールされます。このベースライナーは、コンピューターのフラグのようなもので、修正プログラムが存在することをその製品の以降の更新プログラムに知らせる役割を果たします。将来、お客様が GDR クラスのリリース (セキュリティ更新プログラムを含む) をインストールすると、その更新プログラムはベースライナーを検索します。これまでにインストールされた修正プログラムがないためベースライナーが存在しない場合は、修正プログラムが含まれないように GDR ブランチのペイロードがインストールされます。ベースライナーが見つかると、修正プログラムが含まれる累積的なバイナリなどの LDR ブランチのペイロードがインストールされます。このモデルでは、修正プログラムをインストール済みのお客様に対しては GDR はインストールされません。このモデルの利点は、最初に GDR をインストールすれば、GDR ペイロードが適用されることです。次に修正プログラムをインストールしたときにベースライナーが存在すると、GDR は自動的に GDR ブランチ ペイロードから LDR ブランチ ペイロードに切り替わります。これによって、修正プログラムによる不具合の再発が防止されます。

よく寄せられる質問

Q1: デュアル ブランチ サービスは Visual Studio 2008 SP1 でも利用できますか。A1: デュアル ブランチ サービス モデルのサポートは現在、.NET Framework 2.0 SP2、.NET Framework 3.0 SP2、および .NET Framework 3.5 SP1 に限られています。この機能を Visual Studio 2008 SP1 に拡張する予定はありません。Q2: 以前のバージョンの .NET Framework (1.0、1.1、2.0 RTM または SP1) および Visual Studio (2002、2003、および 2005) でも利用できますか。A2: デュアル ブランチ サービス モデルをご利用いただけるのは、.NET Framework 2.0 SP2、.NET Framework 3.0 SP2、および .NET Framework 3.5 SP1 以降です。また、将来のすべてのバージョンの .NET Framework でご利用いただけます。以前のバージョンの製品については、このサービス モデルをサポートする予定はありません。Q3: デュアル ブランチ サービスは .NET Framework 4.0 でもサポートされますか。A3: はい。.NET Framework 4.0 はデュアル ブランチ サービス モデルをサポートします。Q4: 更新プログラムに 2 つのペイロードが含まれると、更新プログラムは大きくなりますか。A4: デュアル ブランチ サービスをサポートする GDR クラスの更新プログラムには、LDR ブランチのペイロードと GDR ブランチのペイロードの 2 つのペイロードが含まれるため、この更新プログラムと同等でデュアル ブランチ サービスをサポートしない更新プログラムよりも若干大きくなります。ほとんどの場合、ファイル サイズはわずかに増えますが、それも数 MB に限られています。Q5: LDR ペイロードと GDR ペイロードのどちらを適用するか指定するために、ユーザーが行う必要のある操作はありますか。A5: 通常の状況では、ユーザー操作は必要ありません。コンピューターがベースライナーを使用して、自動的に修正プログラムの存在についてフラグを設定します。将来の GDR では、ベースライナーの存在に基づいて、LDR と GDR のどちらのペイロードを適用する必要があるかが自動的に確認されます。Q6: GDR クラスの更新プログラム (更新プログラム、累積的な更新プログラム、またはセキュリティ更新プログラム) をアンインストールするときに、ユーザーが行う必要のある操作はありますか。A6: いいえ。GDR クラスの更新プログラムをアンインストールするときに、ユーザー操作は必要ありません。Q7: 修正プログラムをアンインストールするときに、ユーザーが行う必要のある操作はありますか。A7: いいえ。修正プログラムをアンインストールするときに、特別なユーザー操作は必要ありません。Q8: ベースライナーを削除するとどうなりますか。A8: コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] を使用してベースライナー更新プログラム 960043 を手動でアンインストールしないでください。これはサポート対象外のシナリオであり、ベースライナー更新プログラムをアンインストールすると将来の更新プログラムが正しく適用されないことがあります。Q9: GDR 更新プログラムをインストールした後に GDR ペイロードのみが適用された状態にシステムを戻すにはどうすればよですか。A9: GDR ペイロードの適用が開始される状態にシステムを戻すには、製品をアンインストールしてから再インストールする必要があります。その後で、適用可能なすべてのセキュリティ更新プログラムを適用してください。

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