ここでは、Microsoft Excel の VDB 関数の書式および使用法について説明します。
説明
倍額定率法または指定された方法を使用して、特定の期における資産の減価償却費を返します。 VDB は、Variable Declining Balance の略語です。
書式
VDB(取得価額, 残存価額, 耐用年数, 開始期, 終了期, [率], [切り替えなし])
VDB 関数の書式には、次の引数があります。
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価格 必ず指定します。 資産を購入した時点での価格を指定します。
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残存価額 必ず指定します。 耐用年数が終了した時点での資産の価格 (資産の救済価額) を指定します。 この値は 0 になる場合があります。
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耐用年数 必ず指定します。 資産を使用できる年数、つまり償却の対象となる資産の寿命年数を指定します。
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開始期 必ず指定します。 減価償却費の計算の対象となる最初の期を指定します。 開始期は耐用年数と同じ単位で指定してください。
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終了期 必ず指定します。 減価償却費の計算の対象となる最後の期を指定します。 終了期は耐用年数と同じ単位で指定してください。
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率 省略可能です。 減価償却率を指定します。 率を省略すると、2 を指定したと見なされ、倍額定率法で計算が行われます。 倍額定率法を使用しない場合は、率を変更してください。 倍額定率法の詳細については、DDB 関数を参照してください。
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切り替えなし 省略可能です。 減価償却費が定率法による計算の結果より大きくなったときに、自動的に定額法に切り替えるかどうかを、論理値で指定します。
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切り替えなしに TRUE を指定すると、減価償却費が定率法による計算の結果より大きくなっても、定額法への切り替えは行われません。
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切り替えなしを省略するか FALSE を指定すると、減価償却費が定率法による計算の結果より大きくなったときに、自動的に定額法への切り替えが行われます。
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重要: 切り替えなし以外の引数には、必ず正の数を指定してください。
使用例
次の表のサンプル データをコピーし、新しい Excel ワークシートのセル A1 に貼り付けます。 数式を選択して、F2 キーを押し、さらに Enter キーを押すと、結果が表示されます。 必要に応じて、列幅を調整してすべてのデータを表示してください。
データ |
説明 |
|
---|---|---|
2400 |
取得価額 |
|
300 |
残存価額 |
|
10 |
耐用年数 |
|
数式 |
説明 |
結果 |
=VDB(A2, A3, A4*365, 0, 1) |
1 日目の減価償却費を計算します。 率には自動的に 2 が使用されます。 |
¥132 |
=VDB(A2, A3, A4*12, 0, 1) |
1 か月目の減価償却費を計算します。 |
¥4,000 |
=VDB(A2, A3, A4, 0, 1) |
1 年目の減価償却費を計算します。 |
¥48,000 |
=VDB(A2, A3, A4*12, 6, 18) |
6 か月目から 18 か月目までの減価償却費を計算します。 |
¥39,631 |
=VDB(A2, A3, A4*12, 6, 18, 1.5) |
6 か月目から 18 か月目までの減価償却費を計算します。ただし、倍額定率法を使う代わりに率を 1.5 として計算します。 |
¥31,181 |
=VDB(A2, A3, A4, 0, 0.875, 1.5) |
税法によって定率法の償却率が 150% に制限されているという仮定の下で、資産を所有した初年度の原価償却費を計算します。 資産は、会計年度の第 1 四半期中に購入されたものとします。 |
¥31,500 |