この資料の内容
概要
この資料では、Microsoft Windows Media Player 9 での再生に関する問題のトラブルシューティング方法について、手順を追って説明します。
先頭に戻る
オーディオおよびビデオ再生のトラブルシューティング
Windows Media Player 9 の再生に関する問題は、多くの場合、次のいずれかが原因で発生します。
-
メディアの破損。メディアが破損していると、オーディオやビデオが失われる、突然終了する、または途切れるなど、再生が不安定になる場合があります。
-
コーデックの損傷。コーデックとは、オーディオやビデオのデータの圧縮や解凍を行うソフトウェア プログラムです。コーデックに損傷があると、オーディオやビデオが失われる、再生速度が異常に速く (遅く) なる、ビデオにひずみが生じる (線が入るなど) などの問題が発生する場合があります。
これらの問題によって生じる現象は似ているため、原因の特定方法を理解しておく必要があります。
各ファイル形式は、さまざまなコーデックを使用して圧縮できるため、問題のファイルと同じコーデックを使用しているもの、別のコーデックを使用しているものを組み合わせて、同じ形式のファイルを複数再生します。また、まったく異なる形式のメディア ファイルを再生します。
たとえば、.wmv ビデオ ファイルでは、オーディオ用の MPEG Layer-3 (mp3) とビデオ用の MPEG4 の、2 つの異なるコーデックが使用されている可能性があります。この .wmv ビデオ ファイルでオーディオ再生に関する問題が発生し、他の mp3 ファイルは正常に再生できる場合は、この .wmv ビデオ ファイルが破損している可能性があります。他の mp3 ファイルも正常に再生できない場合は、コーデックが損傷している可能性があります。
Mplayer2.exe プログラムを使用してファイルの再生をテストします。Mplayer2.exe プログラムは C:\Program Files\Windows Media Player フォルダに格納されています。MPlayer2 と Media Player 9 の両方で、DirectShow など共通のコンポーネントが使用されており、また MPlayer2 の設計は Media Player 9 ほど複雑でないため、MPlayer2 は基本的な機能のテストに適しています。CD オーディオと DVD を除き、Media Player 9 で使用可能な形式はすべて MPlayer2 でテストできます。
先頭に戻る
問題の解決手順
ローカルの再生をトラブルシューティングする際には、多くの場合、正常に再生できるファイルと正常に再生できないファイルの違いを確認します。ファイルの種類によって再生できるものとできないものがある場合は、コーデックが損傷している可能性があります。再生をテストするには、正常であることが確認されているファイルを使用します。
Windows Media Player でサポートされているマルチメディア ファイル形式の関連情報を参照し、正常であることが確認されている、トラブルシューティング用のサンプル ファイルをダウンロードするには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。
316992 Windows Media Player のマルチメディア ファイル形式正常であることが確認されているファイルが正しく再生される場合は、問題のファイルが破損しているか、コーデックがサポートされていない可能性があります。
メディア ファイルによっては、正常な再生のために、DivX などサードパーティのコーデックをインストールする必要がある場合があります。また、一部のサードパーティ コーデックは、既にコンピュータにインストールされているコーデックよりも高い優先度でインストールされる場合があります。これが原因で、以前は問題がなかったメディア ファイルが正常に再生できなくなる場合があります。この場合、オーディオは再生されるがビデオは再生されない、ビデオが上下逆さで表示されるなど、ビデオ ファイルの破損が確認できることがあります。この状況に該当する場合は、サードパーティのコーデックを削除します。
問題が発生しているファイルと同じ形式の、正常であることが確認されているビデオ ファイルを再生し、次に別の形式の正常であることが確認されているビデオ ファイルを再生します。正常なビデオ ファイルのサンプルをダウンロードしてトラブルシューティングに使用するには、この資料で前述した資料番号をクリックしてください。
複数のビデオ形式をテストした結果、問題が発生しているファイルが 1 種類のみであると特定できた場合、コーデックの問題が原因である可能性があります。コーデックの問題が発生している場合は、Windows Media Player を再インストールします。
正常に再生できるビデオ ファイルがまったくない場合は、DirectX またはディスプレイ ドライバに問題がある可能性があります。DirectX またはディスプレイ ドライバの問題をテストするには、[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。次に [名前] ボックスに DXDiag と入力し、[OK] をクリックします。[ディスプレイ] タブをクリックして、[DirectDraw のテスト] をクリックします。
DirectX のテスト結果が正常だった場合は、ディスプレイ ドライバの更新が必要な可能性があります。DirectX のテスト結果に異常があった場合は、最新バージョンの DirectX のダウンロードおよびインストールが必要な場合があります。
DirectDraw のトラブルシューティングの関連情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。
190900 [DirectX] DirectX 診断ツールについて
リモート メディアのトラブルシューティングは、ローカル メディアのトラブルシューティングと同様です。ローカル メディア再生のトラブルシューティング手順がすべて該当します。リモート メディアやストリーム メディアをトラブルシューティングするときは、インターネット接続が正常であることと、メディアが存在する Web サイトにアクセスできることを確認します。サードパーティのファイアウォール ソフトウェアを使用している場合は、無効にしておきます。
ストリーム メディアをテストするには MPlayer2 プレーヤーを使用します。まず、MPlayer2 (C:\Program Files\Windows Media Player フォルダ) を起動します。[ファイル] メニューの [開く] をクリックして、[開く] ボックスにストリーム メディアの URL を入力します。
注 : Windows Media Player でストリーム メディアを表示するには、[ツール] メニューの [オプション] をクリックして、[ネットワーク] タブをクリックします。[マルチキャスト]、[UDP]、[TCP]、[HTTP] のチェック ボックスがオンになっていることを確認します。
先頭に戻る
確認事項
オーディオおよびビデオ再生に関する問題をトラブルシューティングするときは、次の点に注意します。
-
複数の形式の複数のファイルを再生します。
-
ファイルによっては、正常に機能するために、サードパーティのコーデックが必要になる場合があります。
-
サードパーティのコーデックには、既存のコーデックを損傷させるものがあります。
-
ディスプレイ ドライバおよびオーディオ ドライバが最新バージョンであることを確認します。
CD オーディオ再生のトラブルシューティング
デフォルトでは、CD オーディオの再生はデジタル処理で実行されます。これにより、旧式のコンピュータで問題が発生する場合があります。典型的な問題には、再生のパフォーマンスが低い、オーディオが途切れる、コンピュータが予期せずロックアップする、などがあります。このような問題は、通常はハードウェア リソースの競合によって発生します。この競合は、デジタル再生中に多数のハードウェア デバイスに対して同時にアクセスが行われるために発生します。
CD オーディオの再生をトラブルシューティングする前に、C:\WINDOWS\Media フォルダにある .wav オーディオ ファイルや .mid オーディオ ファイルなど、他のローカル メディアを再生できることを確認します。Media Player で他のローカル メディアを正常に再生できない場合は、その問題をトラブルシューティングしてから、CD オーディオ再生のトラブルシューティングを続行します。
先頭に戻る
問題の解決手順
CD オーディオ再生で問題が発生している場合は、複数の異なるオーディオ CD を試します。問題の CD が、書き込みを行った (CD レコーダで作成した) CD-R または CD-RW である場合は、市販のオーディオ CD を再生してみます。書き込みを行った CD に、使用している CD-ROM ドライブとの完全な互換性がないか、またはエラーがある可能性があります。
デジタル再生の問題が引き続き発生する場合は、エラー訂正をオンにします。これを行うには、Windows Media Player の [ツール] メニューの [オプション] をクリックして、[デバイス] タブをクリックします。CD-ROM ドライブをクリックして [プロパティ] をクリックします。[再生] 領域の [エラー訂正を使う] チェック ボックスをオンにします。
[SRS WOW エフェクト] または [グラフィック イコライザ] のデフォルト設定を大幅に変更すると、再生の質が低下する場合があります。再生の質が低下した場合は、これらの機能を両方ともオフにします。オーディオ エフェクトをオフにするには、次の手順を実行します。
-
[プレイ ビュー] をクリックします。
-
[表示] メニューの [拡張設定] をポイントし、[グラフィック イコライザ] をクリックします。
-
拡張設定ウィンドウ領域で、[オフにする] をクリックします。
-
[表示] メニューの [拡張設定] をポイントし、[SRS WOW エフェクト] をクリックします。
-
拡張設定ウィンドウ領域で、[オフにする] をクリックします。
音質が向上する場合は、これらの機能をオンに戻します。ただし、設定を追加で変更する場合は、変更前に各機能をデフォルト設定にリセットします。
ハードウェア リソースの競合も、デジタル オーディオ再生の問題の原因となる場合があります。使用しているハードウェア デバイスで割り込み要求 (IRQ) が共有されていないことを確認します。IRQ の設定を表示するには、次の手順を実行します。
注 : Microsoft Windows には複数のバージョンが存在するため、使用中のコンピュータによっては以下の手順が異なる場合があります。この場合、製品のマニュアルを参照のうえ、手順を実行するようにしてください。
-
[マイ コンピュータ] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
-
[ハードウェア] タブをクリックし、[デバイス マネージャ] をクリックします。
-
[表示] メニューの [リソース (種類別)] をクリックします。
-
[割り込み要求 (IRQ)] を展開します。
たとえば、CD-ROM ドライブを制御する IDE (Integrated Device Electronics) コントローラ (これは通常はセカンダリ IDE チャネルですが、プライマリ IDE チャネルである場合もあります) とオーディオ ドライバで IRQ が共有されている場合、別々の IRQ を使用している場合に比べて、2 つのデバイスの間のデータ移動の効率が低下します。その結果、再生のパフォーマンスが低下することがあります。
視覚エフェクトや Media Player のその他の拡張設定を使用しない場合は、アナログ再生を使用してデジタル オーディオ再生の問題を回避します。アナログ再生では、コンピュータ ハードウェアに対する要求が比較的少なくなります。CD-ROM ドライブのデジタル オーディオ再生機能をオフにするには、次の手順を実行します。
-
[スタート] ボタンをクリックして、[コントロール パネル]、[パフォーマンスとメンテナンス]、[システム] の順にクリックします。
-
[ハードウェア] タブをクリックし、[デバイス マネージャ] をクリックします。
-
[DVD/CD-ROM ドライブ] を展開し、使用している CD-ROM ドライブを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。
-
[この CD-ROM デバイスでデジタル音楽 CD を使用可能にする] チェック ボックスをオフにして、[OK] をクリックします。
-
[ファイル] メニューの [終了] をクリックして [デバイス マネージャ] ウィンドウを閉じます。
注 : CD-ROM デバイスによっては、この機能がサポートされていないことがあります。
注 : アナログ再生を正常に行うには、コンピュータ内部のケーブルで、CD-ROM がサウンド カードに直接接続されている必要があります。そのようなケーブルが存在しない場合、CD は再生されているように見えますが、音は聞こえません。
先頭に戻る
確認事項
CD オーディオの再生に関する問題をトラブルシューティングするときは、次の点に注意します。
-
CD オーディオをトラブルシューティングする前に、ローカル再生が正常に行われることを確認します。
-
使用している CD-ROM ドライブに関して、Windows Media Player でエラー訂正をオンにします。
-
ハードウェア リソースの競合により、CD オーディオの再生のパフォーマンスが低下するか、まったく再生できなくなる場合があります。デバイス マネージャを使用してハードウェア リソースの競合を確認します。
-
視覚エフェクトや拡張設定を使用しない場合は、アナログ再生を使用します。
DVD 再生のトラブルシューティング
デフォルトでは、Media Player 9 には DVD デコード機能は含まれていません。Media Player 9 で DVD を再生するには、サードパーティのデコーダをインストールする必要があります。サードパーティの DVD デコーダで DVD を再生できない場合、Media Player 9 でも DVD を再生できません。DVD 関連のほとんどの問題は、サードパーティの DVD ソフトウェアをアンインストールしてから再インストールするか、ディスプレイ ドライバまたはオーディオ ドライバを更新することによって解決できます。
サードパーティの DVD デコーダがコンピュータにインストールされているかどうかを確認するには、[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。次に [名前] ボックスに dvdupgrd /detect と入力して [OK] をクリックします。検出された DVD デコーダの一覧が表示されます。
注 : 使用しているコンピュータに複数の DVD デコーダ (MPEG-2 デコーダともいう) がインストールされている場合は、DVD 再生時にエラーが発生することがあります。この問題を解決するには、コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] を使用して、1 つを残してその他すべての DVD デコーダを削除します。
先頭に戻る
確認事項
DVD の再生に関する問題をトラブルシューティングするときは、次の点に注意します。
-
DVD を再生するには、サードパーティの DVD デコーダをコンピュータにインストールする必要があります。
-
デコーダに付属のサードパーティ プログラムで DVD を再生できない場合は、Media Player でも DVD を再生できません。
-
サードパーティの DVD デコーダがインストールされているかどうかを確認するには、[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。次に [名前] ボックスに dvdupgrd /detect と入力して [OK] をクリックします。
関連情報
Windows Media Player for Windows XP でサポートされているコーデックの関連情報を参照するには、以下の「サポート技術情報」 (Microsoft Knowledge Base) をクリックしてください。
291948 [WMP]Windows Media Player でサポートされている codec
Windows Media Player の詳細については、Windows Media Player のヘルプを参照してください。
追加のサポート資料については、次の Windows Media Player 製品サポートの Web サイトを参照してください。
http://www.microsoft.com/japan/windows/windowsmedia/default.mspx
この資料に記載されているサードパーティ製品は、マイクロソフトと関連のない他社の製品です。明示または黙示にかかわらず、これらの製品のパフォーマンスや信頼性についてマイクロソフトはいかなる責任も負わないものとします。
先頭に戻る
関連情報
この資料は米国 Microsoft Corporation から提供されている Knowledge Base の Article ID 811982 (最終更新日 2004-06-08) を基に作成したものです。